政府は27日、台湾有事などを念頭に置いた沖縄県・先島諸島の住民ら約12万人の避難に関する計画を公表した。官民の航空機や船舶を利用して1日2万人ずつを6日間かけて退避させ、九州と山口の8県計32市町で受け入れる。
 今回の計画は最初の1カ月間の対応をまとめたもの。武力攻撃事態法に基づく「武力攻撃予測事態」を想定し、輸送手段の確保の他に宿泊施設や食事の提供などを示した。今後も検討を加えて改定し、2026年度に基本要領を策定。実動訓練も実施する。
 避難対象となるのは宮古島市、多良間村、石垣市、竹富町、与那国町の5自治体。住民約11万人と観光客約1万人を、自衛隊や海上保安庁の船舶、民間のフェリーや航空機を使い、福岡空港や鹿児島空港、鹿児島港へ輸送する。
 住民の受け入れは、福岡県が最多の4万7400人。以下、鹿児島県1万3800人、熊本県1万2800人、山口県1万2600人、大分県1万500人、宮崎県9800人、長崎県4200人、佐賀県1700人となっている。
 避難者のうち住民は空港や港からバスなどで避難先の32市町にある旅館やホテルに移動する。食料や生活必需品を提供され、健康管理や通信設備の体制も整えられる。観光客には速やかな帰宅を求める。 
〔写真説明〕記者会見する林芳正官房長官=27日、首相官邸

(ニュース提供元:時事通信社)