1995年3月の地下鉄サリン事件の発生から20日で30年となるのを前に、警視庁などは13日、東京都江東区にある東京メトロの研修施設でNBC(核・生物・化学)テロ対処訓練をした。
 訓練は走行中の地下鉄内で神経剤がまかれたとの想定で、実際の車両を使って危険物回収や乗客救助の手順などを確認した。
 防護服に身を包んだ東京消防庁の専門部隊は、緊急停止した電車からホームに倒れ込んだ乗客を担いで改札口へと搬送。医師らは、衣服の除染を終えた乗客の診察に当たった。
 警視庁のNBCテロ専門部隊は、車内に残された神経剤を容器に入れて回収した。その後、車内では機動隊員による除染や、鑑識課員による証拠収集作業が行われた。
 訓練には地下鉄サリン事件の捜査本部が置かれていた警視庁築地署のほか、東京消防庁や東京メトロ、多数の負傷者の治療に当たった聖路加国際病院の職員ら計約100人が参加した。
 訓練後、横山和子築地署長は「多くの人が被害に遭ったことを風化させてはならない。官民連携してテロ対策に取り組んでいく」と話した。 
〔写真説明〕地下鉄サリン事件から30年となるのを前に、警視庁などが実施した官民合同のテロ対処訓練=13日午前、東京都江東区
〔写真説明〕地下鉄サリン事件から30年となるのを前に、警視庁などが実施した官民合同のテロ対処訓練=13日午前、東京都江東区
〔写真説明〕地下鉄サリン事件から30年となるのを前に、警視庁などが実施した官民合同のテロ対処訓練=13日午前、東京都江東区

(ニュース提供元:時事通信社)