インターネット上での動画のライブ配信は、コロナ禍を機に利用者が増えた。ただ、屋外から配信して居場所が特定されるなどのトラブルも目立ち、殺人事件に発展したケースもある。
 ITジャーナリストの三上洋さんによると、動画配信を巡るトラブルには、視聴者が配信者につきまとったり、個人的なメッセージのやりとりを執拗(しつよう)に要求したりするケースがある。2022年には、埼玉県越谷市で、視聴者の男が女性配信者を刺殺する事件も起きた。
 三上さんは、屋外で生配信をする場合、画面に映り込む景色や周囲の音などから、配信者の居場所が特定されることがあると指摘。これを防ぐには、生配信風に撮影した動画を時間をおいて配信する方法もあるが、「盛り上がりに欠けるため、実行する配信者はいないだろう」と話す。
 トラブルを防ぐため、「配信者は視聴者と親密にならないことが重要だ」と訴える。個別に会ったり、メッセージをやりとりしたりするなど、配信外でのコミュニケーションは相手を誤解させる恐れがあるという。 
〔写真説明〕東京・高田馬場女性刺殺、現場付近を調べる警視庁の捜査員=11日、東京都新宿区

(ニュース提供元:時事通信社)