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気象予報の観点から見た防災のポイント
飛騨川バス転落事故―8月の気象災害―
岐阜県の飛騨川沿いの地域は、先月にも豪雨災害が発生したばかりだが、過去にも幾度となく豪雨に見舞われてきた。その中でも、1968(昭和43)年8月17日夜から18日未明にかけての通称「飛騨川豪雨」は、史上最悪のバス事故を発生させた集中豪雨として特筆される。
2020/08/03
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予測できない豪雨災害の増加と、自助・共助・公助の限界を補う「新しい」防災のあり方
線状降水帯の発生など、予測の難しい豪雨災害が近年増えています。一方で、高齢化や過疎化などにより防災の基本である「自助・共助・公助」はいずれも限界を迎えつつあります。そのような状況下における、新たな防災のあり方を考えてみます。
2020/08/02
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気象予報の観点から見た防災のポイント
夏の山岳遭難―7月の気象災害―
痛ましい山岳遭難は後を絶たない。近年は中高年の登山ブームとかで、登山人口が増える中、遭難件数も増加している。図1は警察庁が公表している過去約60年間の山岳遭難者数の推移のグラフである。これを見ると、山岳遭難者数は平成に入ってから増加し、平成の約30年間で約4倍に増えたことが分かる。
2020/07/01
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気象予報の観点から見た防災のポイント
土砂災害―6月の気象災害―
6月は「土砂災害防止月間」に定められている。6月に土砂災害が多いのかというと、必ずしもそうではない。図1を見ると、土砂災害は夏から秋にかけて多いことが分かる。6月は土砂災害シーズンの始まりと言える。
2020/06/07
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知って得する気象・防災知識
避難の心得 基本編①
はじめまして。日本気象協会が推進する防災啓発活動「トクする!防災」プロジェクトから、今月より、避難が必要な気象情報、気象災害についてや普段の備えについてなど、分かりやすく解説していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
2020/05/29
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気象予報の観点から見た防災のポイント
メイストーム―5月の気象災害―
気象に起因する痛ましい海難事故は後を絶たないが、1954(昭和29)年当時はもっと悲惨だった。北海道根室の南東海上に出漁していた小型のサケ・マス漁船は、無線設備を持たないものが多かった。それが、猛烈な温帯低気圧に巻き込まれたのである。「ゴ・ヒト・マル」あるいは「ゴトウ」と呼ばれる1954年5月10日のメイストームでは、409隻もの漁船が一度に遭難し、361人が死亡または行方不明となってしまった。この大量海難事故は、温帯低気圧の怖さと、気象情報を入手することの重要さを物語る。
2020/05/07
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気象予報の観点から見た防災のポイント
しのび寄る晩霜害―4月の気象災害―
2020/04/01
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気象予報の観点から見た防災のポイント
不意に襲った大雪―3月の気象災害―
1998年3月1日(日)の朝、東京は突然の大雪に見舞われた。と言っても、都心の降雪量は5センチメートルに過ぎないのだが、事前に予測されなかったこともあって、交通は大混乱に陥った。この降雪は予測の難しいものであった。早春の日曜日の朝に起こったこの事例を振り返り、雪に弱い東京の降雪予想について考察してみる。
2020/03/02
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気象予報の観点から見た防災のポイント
「春一番」は災害の匂い―2月の気象災害―
キャンディーズの曲がヒットした翌々年の1978年2月28日、「春一番」の吹く東京で、荒川に架かる橋梁を走行中の10両編成の電車の後部3両が強風のため脱線、うち2両が横転して23人が負傷する事故が起きた。地下鉄東西線列車横転事故である。本稿では、こうした「春一番」の危険な側面に焦点を当てる。
2020/02/03
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気象予報の観点から見た防災のポイント
低気圧の猛威―1月の気象災害―
1970年1月30日から2月1日にかけて日本列島を襲った温帯低気圧は、「昭和45年1月低気圧」と命名されている。気象庁は顕著な災害をもたらした自然現象に固有の名称を与えているが、それらの多くは豪雨や台風、地震・火山現象である。「昭和45年1月低気圧」は、温帯低気圧に対して命名された唯一の事例なのである(2020年1月1日現在)。それからちょうど50年を経た今、この事例を振り返り、冬の温帯低気圧に関する防災上の留意点を再確認してみたい。
2020/01/06
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気象予報の観点から見た防災のポイント
融雪はこんなに怖い―12月の気象災害―
土石流が突然襲い、作業員14人の命が奪われた。1996年12月6日午前10時30分ごろ、長野・新潟県境に位置する蒲原沢(がまはらざわ、一級河川姫川の支流、図1)での出来事である。当時、蒲原沢では、前年7月の豪雨による土砂災害の復旧工事が行われていた。その作業現場を土石流が襲ったのである。
2019/12/02
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気象予報の観点から見た防災のポイント
初冬の突風―11月の気象災害―
11月は気象災害が比較的少ない月かもしれない。台風シーズンは過ぎ、冬の大雪や暴風雪にはまだ早い。 しかし、11月に気象災害が起きないわけではない。本稿では、筆者の記憶にある11月の気象災害の中から、2006年11月7日13時23分に北海道佐呂間町で発生した竜巻に伴い9人の命が奪われた事例を振り返ってみる。
2019/11/01
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アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
大雨情報で早期避難ってほんとにできる?早期避難のためのアイデア12選(後編)
アイデア6 基本の基本の防災情報は、もちろんおさえる いまさら言うまでもない雨雲レーダーアプリ。もう当然、何か入れていますよね? それから、気象庁が6月20日に15時間先までの雨量の予報を出すようになりました。これはアプリではないですが、ホーム画面に登録しておくと、スマホでも読みやすくなります。朝みれば夜の予報までわかります。
2018/07/27
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AIやビッグデータで2030年防災力向上
気象庁は2030年を見すえビッグデータ活用やAI(人工知能)やといった最新技術による防災情報活用の向上を目指す。24日、交通政策審議会の第26回気象分科会を開催。地震や津波が起こった後の見通しを出す方針。
2018/04/25