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危機発生時における広報の鉄則
危機発生時の広報に求められる基本の「キ」とトップの力量
小林製薬の「紅麹」の成分を含むサプリメントを摂取した人のうち、5人が死亡するなど健康被害が多発しています。この問題では、危機発生時の広報に求められる基本が抑えられていませんでした。トップの会見も同様に基本が抑えられず、その力量に疑問を抱かざるをえない内容でした。
2024/05/28
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危機発生時における広報の鉄則
危機時にリークを回避すべき理由 宝塚問題からの教訓
急転直下の会見が開催されました。3月28日、昨年に急死した現役宝塚歌劇団員の問題で、阪急阪神ホールディングスの嶋田泰夫社長らが劇団員らによる女性へのパワハラを認めて謝罪したのです。阪急阪神HDは謝罪しましたが、1カ月前に開かれた遺族側弁護士による4回目の会見では過言できない、いや憤りを感じるほどの公表がありました。その会見を紐解きながら、危機時の報道対応のあるべき姿について考えます。
2024/03/29
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危機発生時における広報の鉄則
ビッグモーター問題、損保ジャパンの報告書と記者会見
損保ジャパンと親会社のSOMPOホールディングスは、ビッグモーターによる自動車保険の不正請求問題について記者会見を1月26日に開催しました。1月16日に最終報告書が提出され、金融庁からも25日に業務改善命令が出されました。筆者がこの問題で着目したのは最終報告書で明らかにならなかったこと、会見出席者から推測できる今後の説明責任の変化です。
2024/02/29
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危機発生時における広報の鉄則
ダメージを広げた調査報告書とは 宝塚劇団員死亡問題から考える
問題発生時に外部に委託して調査し報告書をまとめ、記者会見を行う流れは一般的になってきました。しかしながら、調査報告書のまとめ方に失敗すると事態を悪化させます。2023年9月30日に転落死した宝塚劇団員のケースがそれにあたります。史上最悪の調査報告書と記者会見といえる状況に陥ってしまいました。危機管理広報にとって重要なポイントについて説明します。
2024/01/22
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危機発生時における広報の鉄則
迷惑動画のSNS拡散に企業はどう対応すべきか?
飲食店での迷惑行為がSNSで動画として拡散される事件が頻発しています。回転ずしチェーン店が集中的に狙われたことから「寿司テロ」と命名され、社会問題化しました。これら一連の迷惑行為に対しいち早く公式見解を出したスシローの対応から、企業としてのクライシスコミュニケーションのあり方を考えます。
2023/04/09
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昆正和のBCP研究室
第28回[最終回]:3つのステップによるメッセージの発信
災害や事故で企業が危機に直面した際、自社や利害関係者への影響を最小限にとどめるために行う情報開示活動を「クライシスコミュニケーション」という。事前に関係者の理解を得るために行う「リスクコミュニケーション」とは違い、危機によって生じる影響を軽減し風評被害を回避することが主眼だ。BCP的なクライシスコミュニケーションの効果と進め方を紹介する。
2020/04/16
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危機発生時における広報の鉄則
2019年 不祥事会見トップ3
2019年の不祥事・記者会見を振り返りましょう。 私が最も驚いたのは、元日産会長カルロス・ゴーン氏の変装劇。最もあぜんとしたのは、第三者委員会による調査報告書を読まないで12月18日に記者会見したかんぽ生命の不適切販売問題。そして最も不快だったのは、9月27日に行われた関電の金品受領問題1回目の会見でした。
2019/12/27
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危機発生時における広報の鉄則
改善の方法を提案することが大切です
前回「トップのメディアトレーニングは必要」と書いたことから、質問がいくつか来ました。「広報がメディアトレーニングしたくても社長が嫌がるんですよ。いい方法はありませんか?」「社長をどう説得したらいいですか?」。皆さんも同じ悩みを抱えていると思いますので、今回はいくつか解決策をお話したいと思います。
2019/11/21
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危機発生時における広報の鉄則
記者からの質問に適切に答えられますか?
注目の記者会見があると、報道関係者から会見についての解説依頼が私に入ります。記者会見のプロがいることに彼らが気付き始めたからです。最近であれば、関西電力の記者会見について解説をしましたが、話の組み立てや回答から彼らはトレーニングを受けていないと感じました。皆さんは、メディアトレーニングという言葉を聞いたことがあるでしょうか。私はこのトレーニングのプロで20年近くの経験があります。一方、2015年、東証と金融庁は、コーポレートガバナンスコードの中に「取締役・監査役のトレーニング」の必要性を明記しました。私は取締役こそ、メディアトレーニングを含めるべきだと考えています。今回はトレーニングの必要性について解説します。
2019/10/18
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危機発生時における広報の鉄則
「私は〇〇をして責任を取ります」
18年前、私がリスクマネジメントを勉強し始めたときに、ある金融機関の広報部長がこうつぶやきました。「ああ、大変な時代になった。前は責任なんか取らなくてもよかったのに、今は責任を取らなくてはいけない時代になった。生きにくいよ」。この言葉はいつまでも違和感として私の中に残りました。「責任を取らなくていい時代なんてあったのかな?」と。以来、責任とは何か、と考えながら不祥事の結末を追いかけるようになりました。今回は、経営責任の取り方について考えてみましょう。原稿を書き始めたら、日産の西川社長の辞任ニュースが飛び込んできました。皆さんと一緒に考えるちょうどよいテーマとなりました。
2019/09/19
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人材不足・長時間労働のリスク懸念上昇
有限責任監査法人トーマツ内にあるデロイト トーマツ 企業リスク研究所は1月31日、日本国内に本社をもつ上場企業を対象に、「企業のリスクマネジメントおよびクライシスマネジメント実態調査 2017年版」の結果を公表した。 前年の同調査と比べ、今回は人材不足や長時間労働に対する労務問題に対するリスク意識が高まる結果となった。
2018/02/06