MS&ADインシュアランスグループの三井住友海上保険とインターリスク総研は、人的ミスによる情報漏えいなどの事務事故対策として「ヒューマンエラー防止対策研修プログラム」を開発し、11月から提供を開始した。

2005年の個人情報保護法の施行以来、企業の情報管理に関する重要性は高まる一方だが、依然として誤送信、誤廃棄、紛失など人為的ミス(ヒューマンエラー)による個人情報漏えいが後を絶たない。多くの企業ではそれらを体系的に理解する機会が少ないため、効果的な予防や再発防止策が取れていないのが現状だ。

両社はヒューマンエラーを疑似体験し、発生後にとるべきアクションを考えるプログラムを開発。プログラムを通じてヒューマンエラーの体型的な理解が可能となり、組織全体と従業員の情報漏えい防止意識の向上に役立つという。

三井住友海上では社内の情報漏えい防止に向けて今年6月から同プログラムを社内向けに85支店で実施したところ高い効果が認められたことから、社外向けを作成し、提供を開始した。

「ヒューマンエラー防止対策研修プログラム」の概要

(1)対象 :企業、その他団体
(2)形式 :インターリスク総研講師による講義方式
(3)所用時間 :約90分
(4)主な内容 :
 Ⅰ. 情報漏えいの事故の傾向や発生による影響
 Ⅱ. ヒューマンエラーの基礎知識
 Ⅲ. 知識不足や錯覚・誤認等によっておこる
   ヒューマンエラーを疑似体験
   a. 情報漏えいが発生しやすい場所を気付かせ(危険予測訓練)
   b. 同じ作業(単純作業)を繰り返すことで、間違えが発生することに気付かせる など
 Ⅳ. ヒューマンエラーによる情報漏えい防止対策の具体的ポイント
   a. 再発防止策の実効性向上
    b. コミュニケーションの円滑化
    c. 従業員教育、意識の向上
    d. 環境整備
    e. ルールの設定および遵守 など