2024/11/13
防災・危機管理ニュース
日本物流団体連合会(物流連)の真貝康一会長(JR貨物会長)は13日、トラック運転手不足に伴い物流の停滞が懸念される「2024年問題」について、東京都内で開かれた内外情勢調査会で講演した。国内の物流業界では「トラックに依存している部分が極めて大きい」と指摘。鉄道や船舶、航空などさまざまな輸送手段を活用してサプライチェーン全体を効率化する「変革」の必要性を訴えた。
4月の残業規制強化や高齢化を背景に、物流業界ではトラック運転手不足が深刻になっている。真貝氏は、配送先での荷待ち時間の長さや、1台当たりの積載率が高められていないなどの問題に言及。「ドライバーが不足し(荷物を)運べない地域も出ている」として、年末にかけた繁忙期には厳しい状況になるとの見方を示した。
その上で、トラックの積載率向上や業界横断でのサプライチェーン省力化の仕組みづくりを急ぐと強調。政府に対しては、大型トラック2台分の荷物を運べる「ダブル連結トラック」導入への支援などを求めた。
政府が5月に公布した改正物流関連法に関しては、荷主企業に対して物流効率化への努力義務や措置が課せられていくことに期待感を表した。
〔写真説明〕内外情勢調査会の全国懇談会で講演する日本物流団体連合会の真貝康一会長=13日午後、東京都港区
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/24
-
-
-
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
-
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
-
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方