2024/11/10
防災・危機管理ニュース
【ニューヨーク時事】米大統領選で勝利したトランプ前大統領は、気候変動問題に向き合わず、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から再離脱する構えだ。11日に国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)がアゼルバイジャンで開幕するが、国際協調の先行きには暗雲が漂う。
トランプ氏は選挙期間中、温暖化に関し「今後400年で海面は8分の1インチ(約3ミリ)上昇する」と誤った数値を主張。「オーシャンフロントの物件が増える」とうそぶいた。トランプ氏が南部フロリダ州に構える邸宅近辺の海面は、温暖化対策が強化されなければ2100年までに現状から76センチ上昇すると予測されている。
気候変動問題を軽視するトランプ前政権下で、世界第2位の温室効果ガス排出国にもかかわらず、米国はパリ協定を離脱。今回も離脱すれば、世界の温暖化対策に打撃となる。地球科学に詳しい英ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)のマーク・マスリン教授は「超大国が抜けると、他国にも脱炭素化の遅れを許すことになる」と指摘する。
国際的な合意形成も難しくなるとみられる。COP29では、発展途上国の気候変動対策を後押しするための新たな資金支援目標で合意できるかどうかが焦点。米国不在により、日本を含む他の先進国に資金拠出圧力が強まる可能性がある。
〔写真説明〕トランプ次期米大統領=6日、米フロリダ州(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- 気候変動
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方