2024/10/31
防災・危機管理ニュース
組織に属さず働くフリーランスを保護するための新法が11月1日、施行される。発注企業に契約内容の明示やハラスメント防止の環境整備を義務付ける。政府は検査体制などを強化し、不公正な取引慣行の是正を目指す。
フリーランスで働く人は462万人に上るとされ、業種はIT関連やライター、配送業、芸能タレントなど多岐にわたる。公正取引委員会の調査では、取引条件が示されなかったり、不当に安い報酬を強要されたりした例が多い。これらの行為は、資本金1000万円超の企業には下請法で規制していた。新法では中小・零細も対象になる。
新法では、発注企業と業務委託された個人との間の取引適正化を進める。企業に業務内容や報酬額を書面やメールで明示させトラブルを防止。商品納入から60日以内の報酬支払いを求める。企業はハラスメント防止の方針を策定し、相談体制を整備する必要がある。業務委託の期間が6カ月以上の場合、育児や介護との両立への配慮も求められる。
公取委や厚生労働省などは、一元的な通報窓口をホームページ上に開設した。フリーランスの申告を受けて立ち入り検査などを行い、事実であれば指導する。従わない場合、50万円以下の罰金を科したり、企業名を公表したりする。
プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の調査では、新法施行に際し「違法・取り締まり事例の公開」への期待が大きい。平田麻莉代表理事は「企業名の公表や罰則を通じて抑止力につながる」と指摘。行政の着実な執行で実効性を確保するよう求めている。
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- フリーランス新法
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方