環境省は、再生可能エネルギーの積極的な導入に向けて、市町村が設定する「促進区域」の拡大策を検討している。制度は2022年度に開始したが、自治体の活用状況は低調。区域に進出する事業者らにインセンティブを与える制度の在り方も含めて結論を出す。今年度内をめどに見直しを検討している地球温暖化対策計画に反映させる。
 政府は50年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を掲げている。達成に向け、環境省は促進区域の設定を促しているが、24年5月時点で36市町村にとどまる。その背景として、区域を設定する際の市町村の事務負担が重いほか、区域で事業に取り組もうとする企業などへのインセンティブが足りないといった見方が出ている。
 今年6月に設置された有識者検討会では「地域で再エネ普及に資する制度への改善が必要」と指摘された。これを受け、環境省は温暖化対策計画の見直しに合わせて、具体策を検討している。
 また環境省は、意欲があっても職員数が少ない小規模な自治体で、地域脱炭素に関する取り組みが進まない事例を確認している。温暖化対策計画の改定では、自治体の規模などに応じた対応策も探る。 

(ニュース提供元:時事通信社)