【エルサレム時事】米CNNテレビなどは、イスラエル軍がレバノンの首都ベイルート南郊で3日夜から4日未明にかけ、交戦するイスラム教シーア派組織ヒズボラの次の最高指導者候補と目されるサフィエディン師を狙った空爆を実施したと報じた。イスラエルは9月下旬に殺害した最高指導者ナスララ師に続き有力幹部を排除し、一気に組織を弱体化させる考えとみられる。
 サフィエディン師はナスララ師のいとこ。地下の施設内で他の幹部らと会合を開いていたと伝えられるが、安否は不明だ。イスラエル軍は4日の声明で、ベイルートでの3日の空爆でヒズボラ通信網を統括する幹部を殺害したと発表したが、サフィエディン師には言及していない。
 イスラエルのハレビ軍参謀総長は3日、レバノンで続く地上侵攻について「国境近くのテロ拠点を破壊し、いかなる者であれ排除する」と攻勢を強める決意を示した。軍報道官はレバノン南部の数十以上の集落の住民に避難を要請。地上部隊の展開範囲が拡大する可能性が高まっている。
 ヒズボラは4日未明もイスラエル北部ハイファ周辺などに飛翔(ひしょう)体を多数撃ち込んでおり、徹底抗戦を続けている。 
〔写真説明〕レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの幹部サフィエディン師(中央)=7月4日、ベイルート南郊(ロイター時事)
〔写真説明〕4日、イスラエルの空爆を受けベイルート南郊で上がる炎(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)