2024/08/12
防災・危機管理ニュース
ウクライナの安全保障担当高官はロシア西部クルスク州への越境攻撃について「目的はロシア内の情勢を不安定化させることだ」と述べた。ロシア国防省は、ウクライナ軍部隊の一部が国境から約30キロ離れた地点に到達していることを認めた。AFP通信が11日報じた。
匿名を条件にAFPの取材に応じた同高官は「(越境攻撃で)ロシアが国境を守ることができないようにして、最大限の損失を与えることを目指している」と語った。ロシア側は、6日に始まった攻撃に参加しているウクライナ兵は1000人程度と主張しているが、同高官は「もっと多い。数千人だ」と強調した。
クルスク州では10日までに住民7万6000人以上が避難した。AFPは「(今回の越境攻撃は)外国軍によるロシア領土への攻撃としては第2次世界大戦後、最大だ」と伝えた。
一方、ウクライナ南東部のザポロジエ原子力発電所で11日、火災が発生した。ザポロジエ州の親ロシア派トップのバリツキー氏は12日、「完全に鎮火した」とSNSに投稿。国際原子力機関(IAEA)は、放射線量に異常はなく、安全性への影響も報告されていないとしている。
ウクライナのゼレンスキー大統領は「(ロシアが)火災を起こした」とSNSで指摘したが、バリツキー氏はウクライナ軍の攻撃が原因だと主張し、双方は非難の応酬を繰り広げている。ロシアは侵攻開始後間もない2022年3月、ザポロジエ原発を占領した。
〔写真説明〕黒煙が立ち上るウクライナ南東部のザポロジエ原発=ウクライナ大統領府が11日提供した動画より(AFP時事)
〔写真説明〕避難するためバスに乗り込むロシア西部クルスク州の住民=9日、州政府提供(EPA時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
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