2024/08/06
防災・危機管理ニュース
政府は6日、サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」導入に向けた有識者会議(座長・佐々江賢一郎元駐米大使)の会合を首相官邸で開き、議論の中間整理をまとめた。監視対象として、個人のメール内容などを含めることは「適当ではない」と明記した。
中間整理は、憲法が保障する「通信の秘密」との整合性を取るため、通信事業者が持つ情報活用に向けた制度設計で、丁寧な検討を求めた。政府の情報活用を監視する第三者機関の設置も提起した。
重要インフラがサイバー攻撃を受けた場合、国民生活に多大な影響が出ると指摘。電力、ガスなど15業種の民間事業者を念頭に、政府への報告を義務付け、情報共有を進めるよう訴えた。
監視対象として「外国が関係する通信の分析が特に必要」と盛り込んだ。
有識者会議は今後、最終的な意見集約を急ぐ。それを踏まえ、政府は今秋にも想定される臨時国会に関連法案の提出を目指す。河野太郎デジタル相は6日の会合で「民間企業への大規模なサイバー攻撃が明らかになっている。対応能力の向上は急を要する」と強調した。
〔写真説明〕サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議であいさつする河野太郎デジタル相=6日午後、首相官邸
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方