東京消防庁の救急隊の出動件数が過去最多のペースで増加している。同庁によると、1~7月の出動件数は昨年同期比約4.4%増の54万2256件で、集計を始めた1936年以降最多となった。熱中症の増加が要因とみられるという。
 東京消防庁によると、今年に入り出動が最も多かったのは、最高気温36度だった7月8日の3372件で、1日の出動件数でも過去2番目の多さだった。気象庁の発表では同月の平均気温は過去最高となっており、1日の出動件数の記録上位10日のうち半数を今年が占めた。
 熱中症による搬送者数は7月28日までに4183人で、昨年を上回るペースで増加。救急隊の出動率が高い状況になった際に、ホームページなどで不要不急な出動要請を控えるよう呼び掛ける「救急車ひっ迫アラート」も、7月中に19回(昨年5回)発令された。
 東京消防庁は、SNSなどを通じて、熱中症予防のため水分補給やクーラーの利用などを推奨するとともに、救急車を呼ぶかどうか迷う場合は救急相談センターの電話窓口「#7119」のほか、インターネットで病気やけがの緊急度を確認できる「救急受診ガイド」の活用を促している。 

(ニュース提供元:時事通信社)