【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザの地元当局は9日、イスラエル軍がガザ中部ヌセイラトの難民キャンプを攻撃し、274人が死亡、約700人が負傷したと主張した。「虐殺だ」と非難している。イスラエル軍はヌセイラトで人質4人の救出作戦を敢行しており、多数の住民らが巻き込まれた可能性がある。
 ヌセイラトは住宅密集地で、イスラエルは2カ所の建物から人質を奪還。激しい銃撃戦となり、ロイター通信によると、イスラエル軍報道官は「空と路上から応戦した」と述べた。
 作戦でイスラエル側の特殊部隊員1人が死亡。パレスチナ側の死傷者について報道官は、「100人未満だと理解している。そのうち何人がテロリストかはわからない」と説明した。ガザの救急隊や住民はロイターに、女性や子供を含む多数の遺体が市場などに散乱していると語った。
 一方、イスラム組織ハマスは9日、救出作戦のさなかに米国人1人を含む他の人質3人が死亡したとして、遺体を撮影した動画をSNSに投稿した。動画の中で「イスラエル政府は人質を救うためとして他の人質を殺害している。(人質に残された)時間はなくなりつつある」と警告した。 
〔写真説明〕8日、パレスチナ自治区ガザ中部ヌセイラトで、イスラエル特殊部隊の攻撃を受けて破壊された建物(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)