経団連はこのほど、2022年度のカーボンニュートラル行動計画に関する速報を発表した。それによると、行動計画に全参加する業種の全部門のCO2排出量は、2013年度比で20.8%減少し、前年度比でも3.7%減少した。今回の速報は、全参加業種63業種のうち、58業種からの回答を得て取りまとめたもので、全ての参加業種について記載した確定版及び各業種からの報告については、2024年3月頃の公表を予定している。

 

産業部門では、2013年度比で20.5%、前年度比で6.5%のCO2排出量の減少が見られた。減少の要因としては、エネルギー・原材料価格の高騰、半導体不足による需給変動、外需の縮小など、経済活動量の減少が挙げられるとしている。また、エネルギー構成の変化や燃料転換、エネルギー回収などCO2排出係数の減少も影響を及ぼしていると考えられるとしている。

産業部門における主な取り組みとしては、燃料転換、エネルギーの回収・利用、高効率機器の導入、運用プロセスの改善などが挙げられ、これらの取り組みはCO2排出削減に貢献している。

一方で、課題として、運輸部門ではコロナ後の経済活動の活発化に伴いCO2排出量が増加しており、車両の電動化、燃料効率の向上、代替燃料の使用、公共交通の利用促進など、新たなアプローチが必要としている。運輸部門のCO2排出量増加は、国内全体の排出削減目標を達成する上での大きな課題となっており、今後、環境保全と経済発展を両立させるために、より総合的な取り組みが求められていく。