死者・行方不明者が10万5000人余りに上った関東大震災から今年は100年目の節目にあたることから、国や自治体ではウェブの特設ページをつくったり、シンポジウムなどイベントを行う動きが広がっている。

気象庁では、気象白書「気象業務はいま2023」で関東大震災の被災風景や概要を掲載した。コラムでは、東京大学地震研究所教授の加藤愛太郎氏が、首都圏に被害をもたらす地震について寄稿しており「関東地方の下には、南側の相模トラフからフィリピン海プレートが沈み込み、東側の日本海溝から太平洋プレートがフィリピン海プレートの下側に沈み込んでいる。2つのプレートが陸のプレートの下に沈み込む珍しいテクトニクス環境」など、地震が起きやすい環境を解説している。
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/hakusho/2023/index.html

同庁では今年、「関東大震災から100年」特設サイトも解説。当時の揺れの観測データに加え、天気や土砂災害の状況、当時の地震学者による調査報告書も公開している。
https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/1923_09_01_kantoujishin/index.html

気象庁の関東大震災100年の特設ページより

国や自治体で関東大震災100年目の特設ページ・イベント

気象庁だけでなく内閣府や自治体でも関東大震災100年目の特設ページを解説したり、イベントを行う取り組みが広がっている。

内閣府の特設ページでは、津波や火災被害、さらには世界最大規模とも言われる復興事業の資料を読むことができる。
https://www.bousai.go.jp/kantou100/index.html

各種イベントも目白押しだ。9月17日(日)から18日は、横浜市内で「ぼうさいこくたい2023(第8回防災推進国民大会)」が開催される。産学官、NPO・市民団体や国民の皆様が日頃から行っている防災活動について、全国的な規模で発表し、交流する日本最大級の防災イベントで、今年は、関東大震災に関連するセミナーも数多く開催される見通しだ。

東京都庁でもウェブサイトで各種イベントを公開し、参加を呼び掛けている。6月からは、震災の記憶を継承しようと、震災直後の写真などの展示会が開かれている。
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/1022852/index.html

関東地方整備局では、「連携・実践・わがこと化」をテーマに特設ページを開設し、地域全体での対応力を強化するために、関係機関それぞれが主体的に対応することの必要性・重要性を訴えている。関東大震災をテーマにしたリレーシンポジウムの予定や概要などを公表している。
https://www.ktr.mlit.go.jp/bousai/index00000005.html