■多くの企業でBCMに自信がない!?
「第9回事業継続マネジメント(BCM)に関する日本企業の実態調査」(MS&ADインターリスク総研)によると、「BCMを定期的に見直す仕組みはない」と答えた企業の割合は2018/2021年ともに半数近くであり、「定期的な見直しの仕組みがある」と答えた企業の割合(両年度とも30%前後)よりも高い傾向にあります。また、経営層による定期的なレビューの仕組みがあると答えた企業の割合は、2018年度は12.8%、2021年度でも13.3%にとどまっています。
また上記以外にレポートから読み取れる部分として、BCMの振り返りについては多くの企業であまり行われておらず、実行している会社でもBCM担当部署内または各部門内にとどまっていること、BCM活動に対して経営層や監査員のお墨付きを得る機会がないだけに「自社のBCMの有効性についてはよくわからない、あまり自信が持てない」と考えていることが分かります。
一方、同レポートにはもう一つの質問があって「BCMの取組状況を誰に知らせているか?」については、2018年度は役員会(45.7%)、従業員/社員(45.7%)、顧客(10.5%)であるのに対し、2021年度は役員会(50.9%)、従業員/社員(37.2%)、顧客(14.7%)となっています。不特定多数、株主・投資家、サプライヤー、監督官庁に至っては、概ね10%以下です。
この傾向から察するに、BCMに対する自社のコミットをシビアに評価する立場にある相手ほど、取組状況を知らせる割合は低くなっていることが分かります。これもまた自社のBCMの有効性については、自信を持って相手に伝えることができないことの現れと言ってよいでしょう。
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