■「Plan」から「Do」へ

目標が決まり、条件が出そろったところで、次はこれらを達成するための方法を検討します。仕入れ先の開拓という意味では日常のビジネスの延長にあるわけですから、これまでの経験を生かした考え方が思い浮かぶことでしょう。例えば(1)担当者自らインターネットや取引先のコネを通じて代替仕入れ先を探す(2)災害に強い工業団地を誘致している自治体を回って該当する企業を紹介してもらう(3)ビジネスマッチングを得意とする専門家に代替仕入れ先を探してもらう、といったことです。

PDCAでは、(1)~(3)の3案の中から無理やり1つだけ絞り込んで残りを切り捨てる必要はありません。2つは残しておいて1案目がダメなら2案目…と順に実行すればよいのです(これがいわゆる「Do」→「Check」の反復)。と言っても、どれから先に実行するのか暫定的に決める必要がありますから、次の点も考慮して最初に実行する案を決めることにします。

・代替仕入れ先を探すためのコスト・労力・時間はあまりかけたくない
・目標に掲げた要件をすべて満たせるオプションはどれか?

これらの追加要件も踏まえて検討した結果、最終的に(3)案の「ビジネスマッチングを得意とする専門家に代替仕入れ先を探してもらう」ことを選択したものとします。少し長い道のりだったように感じたかもしれませんが、ここまでが「Plan」の段取りとなります。

さて次が「Do」のステップ。ビジネスマッチングを得意とする専門家を呼んで当社の代替仕入れ先に対する希望条件を説明し、いろいろと探してもらった結果、2カ月ぐらい経って、なんとか契約を前提とした交渉に入るところまでこぎつけました。

■「Check」→「Act」は総合的に判定すべし

ビジネスマッチングの専門家が提示した代替仕入れ先は、果たして当初の「Plan」の目的や目標、条件に適っているのでしょうか。これを評価・検証するのが「Check」のステップです。評価・検証のポイントは、次の3点にまとめることができるでしょう。

一つは「代替仕入れ先は当社の求める条件を満たしているか?」ということ。これは文字通り「Plan」で設定した目的・目標・達成条件に適合しているかを確かめるチェックポイントです。

次は「代替仕入れ先が見つかるまでに要した時間とコストは許容範囲内だったか?」。目標や条件をコインの表とするなら、その裏に当たるのが目標達成のために要した時間と費用です。いくら目標が達成できても、そのために多くの時間とコストを費やしたのでは意味がありません。

三つ目は「代替仕入れ先が決まる過程で予期しなかった問題やデメリットは発生しなかったか?」です。これも前掲の二番目の同じようにコインの裏に相当する重要なポイントです。

これらを総合的に勘案した上で、最後にPDCAの4つ目のステップ、「Act」の判定に進みましょう。評価・検証の結果、おおむねすべての条件を満たしているなら、本契約に向けて交渉を進めることができます。一方、もし満足のいく結果が得られなければ、他のオプション((1)案や(2)案の方法)に立ち戻って再度「Do」→「Check」をやり直すか、抜本的に「Plan」から練り直して再度PDCAの各ステップを踏むことになります。

(了)