【火災危険】

次に我々の身の回りにある火災危険を探してみることにする。火災予防の基本ステップは潜在的な着火源や燃料源を発見し、その危険性を低減あるいは除去することである。

■電気

 

まず一般的な着火源は電気である。俗に言う「タコ足配線」は避けよう。また、じゅうたんの下に電気コードが走っている状態も好ましくないだろう。もし老朽化している電気コードがある場合は新しいものに交換しよう。電気器具自体も適切に維持されているものを使用し、壊れているものは修理するか交換しよう。それでも万が一、電気火災が発生した場合には、ブレーカーでいち早く電源を遮断しよう。

■ガス 

次に燃料源として危険性の高いものにガスがある。読者の皆様のお宅は都市ガス、プロパンガスのどちらをお使いだろうか? それぞれのガスの特性により気をつけなければならないポイントがあるので説明しよう。

都市ガス:主成分はメタンで空気より軽い。ガス供給設備から一般家庭やビルなどの消費する場所まで地中に設置したパイプラインを通り供給されるので、供給設備が空になるまで燃え続ける。一般的に都市ガスに対応するガス器具には青色かパステルベージュのホースが接続されている。

プロパンガス:主成分はプロパンで空気より重い。販売業者からボンベの形で出荷され、消費する場所に設置。当然設置されたボンベが空になればそれ以上は燃えない。LPガスに対応するガス器具にはオレンジ色のホースが付いている。 


どちらのガスの場合も供給元の停止弁の位置を知っておく必要がある。この機会に是非、位置と停止方法の確認をしてもらいたい。

■可燃性液体

自宅、あるいは会社にはあらゆる種類の可燃性液体が保管されているだろう。必ずラベルを確認し可燃性かどうかを確認してもらいたい。またLIES方式により正しく収納・保管することが大切である。 

LIES方式とはL(Limit:限度)、I(Isolate:隔離)、E(Eliminate:除去)、S(Separate:分離)の頭文字を取った可燃性製品の収納・保管方法の事。消防法においても危険物保管の指定数量が定められているが、必要以上の可燃性または引火性液体は保管せず、保管するとすれば、他の一般可燃物とは隔離し、できれば専用の保管場所に種類ごとにきちんと分類して接触しないよう収納するのが望ましい。ラベルがはがれていたり、汚れて不明瞭になったものは適切に除去し交換する。

(後編へ続く)

参考文献:
•COMMUNITY EMERGENCY RESPONSE TEAM. Basic Training Instructor Guide
.FEMA.DHS
•消防業務エッセンシャルズ第6改訂版日本語版

(了)