企業はなぜ感染症対策を進めるべきか
準備編その6 感染症対策
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、早稲田大学、東京医科歯科大学大学院などで教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
2019/12/18
中小企業の防災 これだけはやっておこう
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、早稲田大学、東京医科歯科大学大学院などで教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
季節性インフルエンザや麻疹(はしか)などの感染症の流行が社会的に大きな話題になることが増えています。感染症は、その発生そのものを止めることはできませんが、的確な準備を進めることで、従業員の感染リスクを抑えることができます。
今回は、企業が感染症対策として今、何をやるべきか考えます。
1. 企業はなぜ感染症対策を進めるべきか
企業が、感染症対策を進めるべき理由は次の通りです。
(1)安全配慮義務
2008年3月に施行された労働契約法第5条(労働者の安全への配慮)において「使用者は,労働契約に伴い,労働者がその生命,身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう,必要な配慮をするものとする」と規定されています。
この「安全配慮義務」は、従業員が安全で健康に働けるように企業が配慮するべき義務のことです。
例えば、従業員が海外出張、あるいは海外駐在をする際、当該国において感染症に罹患(りかん)するリスクが高くなると考えられる場合があります。そのようなケースにおいて、企業は従業員の罹患リスクを抑えるために、その国における感染症に関する情報を提供するとともに、必要に応じて予防接種の案内をすることなどが求められます。
(2)自社事業の継続
季節性インフルエンザやノロウイルスなどの感染症が流行し、多くの従業員が罹患し欠勤者の数が増えると、自社事業の継続に支障が出かねません。自社事業に対して、感染症の流行が悪影響を及ぼさないようにし、事業を継続することも感染症対策の目的の一つです。
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