アトラスVによる衛星打ち上げの様子(ULA)


米アマゾン・ドット・コムは28日、低軌道衛星によるインターネット通信サービス「プロジェクト・カイパー」の本格展開に向け、衛星打ち上げに成功したと発表した。2025年後半のサービス開始を目指し、今後80回以上の打ち上げにより、3,200基以上の衛星網を構築する計画だ。

今回は、2023年10月に打ち上げた2基の試験衛星に続くもので、商用運用を見据えた初の本格的な打ち上げ。米フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地から、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)社のロケット「アトラスV」が用いられた。

今後、アマゾンはULA社の新型ロケット「ヴァルカン・セントール」を含め、同社による約40回の打ち上げを予定している。加えて、仏アリアンスペース、米ブルーオリジン、米スペースXなど、複数の民間宇宙企業との協力も発表している。

低軌道衛星を用いたインターネットサービスは、既存の通信インフラが届かない地域でも高速通信を可能とすることから、世界的に注目を集めている。大幅に先行するスペースXの「スターリンク」に対抗できるか。進展が注目される。