2015/02/12
防災・危機管理ニュース
イスラム過激派組織「イスラム国」による邦人人質事件を受け、外務省は2月3日、海外における邦人の安全対策を検討する「在外邦人の安全対策強化に係る検討チーム」を立ち上げた。6日、第2回会合が開催され、座長である中根一幸外務大臣政務官から、在外邦人安全対策強化のために直ちにとりかかるべき施策として、以下の5項目が発表された。
1.SMSによる在留邦人への緊急一斉通報システムの運用開始
在留邦人数が特に多い国・地域で、携帯電話のSMS(ショート・メッセージ・サービス)による一斉情報発信及び安否確認システムを運用する(SMSの返信により邦人安否確認作業の大幅な効率化も期待)。
2.「たびレジ」の利便性向上・広報強化
3カ月未満の短期渡航者が現地での滞在予定や連絡先等を登録し、渡航情報の提供や緊急事態発生時に対応できるシステム「たびレジ」の普及・活用をめざし、スマートフォンアプリを開発。都道府県の旅券事務所、旅行代理店、大学等と連携した広報活動を展開する。
3.海外安全ホームページのスマートフォン対応
海外旅行中・外出中の最新情報の確認の利便性を向上させるため、海外安全ホームページをスマートフォンに対応させる。
4.日本人学校の警備強化
日本人学校の安全対策を強化するべく、警備員の増員や、監視カメラ等の警備機器に関する支援を充実させる。外務省の警備専門官が、これまで以上に警戒が必要な先進国におけるテロ攻撃を含む緊急事態に対応するための日本人学校の警備マニュアルの整備のための提言を行う。
5.在留邦人向け安全対策セミナーの実施
これまで中東・北アフリカ諸国を中心に実施してきたものを、新たに欧米諸国等でも行う。大都市におけるテロ対策を念頭に、パリ、ベルギー、ロンドン、メルボルンなどの5都市に危機管理の専門家を巡回派遣し、具体的安全対策について、在留邦人を対象とするセミナーを開催する。
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