2024/12/09
防災・危機管理ニュース
内閣府が9日発表した2024年7~9月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.3%増、この成長ペースが1年続いた場合の年率換算で1.2%増となった。11月発表の速報値(前期比0.2%増、年率0.9%増)と比べ、自動車や電子部品の輸出が上振れしたことなどから上方修正した。
2四半期連続のプラス成長を維持し、日本経済の緩やかな回復が続いていることを示した。ただ、先行きに関しては、物価高が引き続き消費マインド改善の重しになるとの指摘も出ている。
内需では、最新の法人企業統計を反映した結果、企業の設備投資が前期比0.1%減(速報値は0.2%減)に上方修正された。また、住宅投資はリフォームの増加などで0.4%増(同0.1%減)となった。
一方、内需の柱である個人消費は、0.7%増(同0.9%増)に下方修正。自動車の国内販売に関する最新の数値を踏まえたほか、速報段階で個人消費に算入していた訪日客需要の一部を、改定値では輸出に計上した影響があった。
GDPにプラスに働く輸出は、訪日客需要の計上に加えて、自動車や電子部品、非鉄金属などが増えた結果、1.1%増(同0.4%増)に上方修正。輸入は1.8%増(同2.1%増)となった。また、民間在庫の寄与度が、原油・天然ガスの備蓄増加で、0.2%(同0.1%)に上昇したことも全体を押し上げた。
第一生命経済研究所の新家義貴シニアエグゼクティブエコノミストは、実質GDPの上方修正について、季節調整値の計算モデルを一部変更したことによる「テクニカルな修正の面が大きい」と指摘。先行きについては、実質賃金の下げ止まりといった好材料がある一方、物価の高止まりは続いているため、「景気は緩やかに回復するが、加速感が出るには至らない」との見方を示した。
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
トヨタが変えた避難所の物資物流ラストワンマイルはこうして解消した!
能登半島地震では、発災直後から国のプッシュ型による物資支援が開始された。しかし、物資が届いても、その仕分け作業や避難所への発送作業で混乱が生じ、被災者に物資が届くまで時間を要した自治体もある。いわゆる「ラストワンマイル問題」である。こうした中、最大震度7を記録した志賀町では、トヨタ自動車の支援により、避難所への物資支援体制が一気に改善された。トヨタ自動車から現場に投入された人材はわずか5人。日頃から工場などで行っている生産活動の効率化の仕組みを取り入れたことで、物資で溢れかえっていた配送拠点が一変した。
2025/02/22
-
-
現場対応を起点に従業員の自主性促すBCP
神戸から京都まで、2府1県で主要都市を結ぶ路線バスを運行する阪急バス。阪神・淡路大震災では、兵庫県芦屋市にある芦屋浜営業所で液状化が発生し、建物や車両も被害を受けた。路面状況が悪化している中、迂回しながら神戸市と西宮市を結ぶ路線を6日後の23日から再開。鉄道網が寸断し、地上輸送を担える交通機関はバスだけだった。それから30年を経て、運転手が自立した対応ができるように努めている。
2025/02/20
-
能登半島地震の対応を振り返る~機能したことは何か、課題はどこにあったのか?~
地震で崩落した山の斜面(2024年1月 穴水町)能登半島地震の発生から1年、被災した自治体では、一連の災害対応の検証作業が始まっている。今回、石川県で災害対応の中核を担った飯田重則危機管理監に、改めて発災当初の判断や組織運営の実態を振り返ってもらった。
2025/02/20
-
-
2度の大震災を乗り越えて生まれた防災文化
「ダンロップ」ブランドでタイヤ製造を手がける住友ゴム工業の本社と神戸工場は、兵庫県南部地震で経験のない揺れに襲われた。勤務中だった150人の従業員は全員無事に避難できたが、神戸工場が閉鎖に追い込まれる壊滅的な被害を受けた。30年の節目にあたる今年1月23日、同社は5年ぶりに阪神・淡路大震災の関連社内イベントを開催。次世代に経験と教訓を伝えた。
2025/02/19
-
阪神・淡路大震災30年「いま」に寄り添う <西宮市>
西宮震災記念碑公園では、犠牲者追悼之碑を前に手を合わせる人たちが続いていた。ときおり吹き付ける風と小雨の合間に青空が顔をのぞかせる寒空であっても、名前の刻まれた銘板を訪ねる人は、途切れることはなかった。
2025/02/19
-
阪神・淡路大震災30年語り継ぐ あの日
阪神・淡路大震災で、神戸市に次ぐ甚大な被害が発生した西宮市。1146人が亡くなり、6386人が負傷。6万棟以上の家屋が倒壊した。現在、兵庫県消防設備保守協会で事務局次長を務める長畑武司氏は、西宮市消防局に務め北夙川消防分署で小隊長として消火活動や救助活動に奔走したひとり。当時の経験と自衛消防組織に求めるものを聞いた。
2025/02/19
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/02/18
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方