米紙ワシントン・ポスト(電子版)は17日、ロシアとウクライナが互いにエネルギーインフラを攻撃しないよう「秘密交渉」を模索していると伝えた。ただ、ウクライナが6日に開始したロシア西部クルスク州への越境攻撃で計画が頓挫する恐れがあり、実現は見通せない状況だ。
 ポスト紙がウクライナの首都キーウ(キエフ)発で報じた。交渉が成功すれば、2022年にロシアが始めた侵攻の「部分停戦」(同紙)になる可能性がある。両国間では国連とトルコが仲介し、黒海経由のウクライナ産穀物輸出合意が結ばれたが、ロシアが履行を停止した。
 ロシアとウクライナが今月中にカタールの首都ドーハに代表団を派遣することが当初計画されていた。カタールが仲介国となって滞在する両代表団の間を行き来し、間接交渉を行う算段。しかし、越境攻撃を踏まえ、ロシア側は延期を通告してきたという。
 ロシアは「軍事施設」と称してウクライナのエネルギーインフラを標的とし、冬季でも構わず停電させた。一方、ウクライナは石油施設をドローンで攻撃し、機能をまひさせた。ロシアが占領するウクライナ南部ザポロジエ原発も交渉の対象かは不明。 
〔写真説明〕ミサイル攻撃で煙が上がる送電設備=3月22日、ウクライナ北東部ハリコフ(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)