2024/04/01
防災・危機管理ニュース
最大震度7を観測した能登半島地震は、1日で発生から3カ月を迎えた。石川県内の死者は3月29日時点で244人で、うち災害関連死は15人。8000人超が依然避難生活を送る。一方、輪島市名物の「輪島朝市」が被災後初めて営業を再開し、県も復興プランの骨子案を公表するなど、新たな季節を迎え、復興に向けた動きも広がる。
県によると、29日時点の住宅被害は7万5000棟余り。避難所に身を寄せる人は1カ月前から約3000人減の約8100人で、うちホテルや旅館などへの2次避難者は約3500人。応急仮設住宅は26日時点で894戸が完成した。
断水は各地で解消が進むが、珠洲市では29日時点で依然として市内のほぼ全域に当たる約4250戸で水が通っていない。輪島市でも約2600戸に上りインフラ復旧が急務だ。
被災地では3月に入り、復興に向けた兆しも出始めた。16日には北陸新幹線が金沢―敦賀間(約125キロ)で延伸開業した。被災地を支援する「北陸応援割」も始まり、経済効果の波及が期待される。
23日には「輪島朝市」が金沢市で出張開催された。地震に伴う大規模火災から約3カ月ぶりの営業再開で、多くの人が詰め掛けた。また県は28日、「単なる復旧にとどめず、能登の魅力を守り高める」とした「創造的復興プラン」(仮称)の骨子案を公表。2032年度末までの9年計画の中で、能登の伝統産業や地域コミュニティーの再建などを進めるとしている。
〔写真説明〕地震で津波が発生し、被害を受けた家屋=31日午前、石川県能登町白丸地区
〔写真説明〕地震で津波が発生し、被害を受けた能登町白丸地区=31日午前、石川県
〔写真説明〕地震と津波で壊れた建物などのがれきが残る町並み=31日午後、石川県珠洲市
〔写真説明〕地震と津波で壊れた建物などのがれきが残る町並み=31日午後、石川県珠洲市
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/24
-
-
-
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
-
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
-
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方