2017/08/21
防災・危機管理ニュース
積水ハウス総合住宅研究所は10日、9月1日の「防災の日」を前に、全国の一般の男女(20~60代)1205人を対象にインターネットで「防災についてのアンケート調査」を実施した。防災意識や家庭での災害対策状況を明らかにするためのもの。「防災の日」の「日にちも由来も知っている」人は40~50代で約3割、「住民の日常の顔の見える関係づくり」「地域の防災組織の整備」「地域の防災訓練の実施、参加」 など「共助」について必要と思っている人は16%程度などの結果となった。
「防災の日について知っていますか」の問いには、「日にちも由来も知っている」が全体で25%、「日にちも由来も知らない」が38.3%、「防災の日があることを知らない」が14.2%となった。
「この1年間で新たに災害対策を行いましたか」の問いには、「いいえ」と答えた人が全体で86.8%。20代、30代はこの1年で対策を行った人が19.9%と他の年代よりも多く、対策を行った人が最も少なかったのは40代で6.3%だった。
「地震からあなたや家族の命を守るために必要だと思うことは」では、「非常用食料、飲料水の備蓄」が62%、「住まいの耐震性能の確保」が54.9%、「家具や家電の固定」が51.1%だった。「住民の日常の顔の見える関係づくり」「地域の防災組織の整備」「地域の防災訓練の実施、参加」 など「共助」について必要と思っている人は16%程度で、実践は3~5%にとどまった。
「地震からあなたや家族の命を守るために あなたが実際に行っていることは」では、「直接被災した人(第1群)」「間接的に被災した人(第2群)」「支援をした人(第3群)」「全く関わらなかった人(第4群)」という震災への関わり方による4つのグループにわけて災害対策の実践状況を見ると、「被災地の商品を意識的に購入した」など「支援をした人(第3群)」が、他のグループの人よりも、住まいの防災について具体的に行動している傾向があった。
同社は「時間が経つと災害を忘れ、対策を怠る傾向が見られた。『防災の日に考える』『被災地の物産品を買う』など、防災を自分ごとと捉えるイベントを、防災意識や取り組みのきっかけとすることが重要。防災意識は高くても実践に至らないことや、過去の災害において重要性が認識されている『共助』の備えができていないことなど、いまだ災害対策の課題があることが分かった」と総括している。
■ニュースリリースはこちら
http://www.sekisuihouse.co.jp/company/topics/datail/__icsFiles/afieldfile/2017/08/17/20170817.pdf
(了)
防災・危機管理関連の新製品ニュースリリースは以下のメールアドレスにお送りください。risk-t@shinkenpress.co.jp
リスク対策.com:横田 和子
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/24
-
-
-
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
-
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
-
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方