2025/03/26
防災・危機管理ニュース
政府備蓄米の流通がいよいよ本格化する。日本生活協同組合連合会は26日、備蓄米が今月末にも店頭に並ぶとの見通しを明らかにした。全国農業協同組合連合会(JA全農)グループの全農パールライスは既に出荷を開始。大手外食チェーンも備蓄米の活用を検討している。高騰したコメの価格低下につながるかが注目される。
日本生協連は、関東と関西の10生協にブレンド米として出荷する。「備蓄米」とは表記しないが、価格は従来の単一銘柄品に比べて下がり、5キロで4000円を下回る見込みだ。
全農パールライスは先週、首都圏などの一部取引先に出荷を開始した。既に店頭に並んでいるとみられる。ある大手コメ卸は今週後半から全国の大手スーパーなどに出荷する予定で、店頭価格は3000円台前半と、これまでより1~2割安くなるとみている。
外食業界も備蓄米を使う検討に入った。牛丼チェーン吉野家は24日に備蓄米の試食会を実施。品質、他の国産米や外国産米とのブレンド比率などの確認を進め、使用するかどうか判断する。焼き肉チェーンなどを展開するコロワイドも備蓄米を使用する計画だ。
4月上旬には備蓄米の本格的な流通が始まる見通し。ただ、コメ卸大手の担当者は「余裕がある水準ではない」と懸念する。政府が放出を決めたのは21万トンで、日本生協連農畜産部の高杉康彦部長も「不足感は解消しない」との見方を示した。
消費の現場に近いスーパーは悲鳴の声を上げている。日本チェーンストア協会の増田充男執行理事は26日の記者会見で「2月はとにかく高かった。少しでも下がってほしい」と訴えた。
〔写真説明〕倉庫内に保管されている政府の備蓄米=2月18日、埼玉県内
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/01
-
-
-
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方