2025/03/21
防災・危機管理ニュース
日本、ブラジル両政府は石破茂首相と24日に来日するルラ大統領との首脳会談で、2年に1回の首脳相互訪問を明記したアクションプラン(行動計画)の策定で調整している。安全保障協力などを協議する「外相戦略対話」創設も盛り込む方向で、経済だけではなく外交・安保でも関係を強化することが狙い。政府関係者が20日、明らかにした。
ルラ氏は国賓として24~27日の日程で日本を訪問。首脳会談は26日に予定されている。外務省によると、ブラジル大統領の国賓来日は1996年3月以来、約30年ぶり。グローバルサウス(新興・途上国)の主要国として存在感を高めているが、ルラ氏は左派政権に位置付けられ、日本の同盟国米国とは距離があるとされる。
日本としては2国間関係を強化することで、ブラジルが新興国グループ「BRICS」を組む中国やロシアへ傾斜するのをつなぎ留めたい考えだ。
行動計画は今後5年間に両国が取り組む具体策をまとめたもので、(1)政治・安保(2)経済・投資(3)気候変動―が3本柱。首脳同志の対面会談を定例化することで、意思疎通を継続させる。外相会談も戦略対話に格上げし、共通課題である国連安全保障理事会改革などでの連携を緊密化する。
近年、両国首脳の相互往来は活発化しており、ルラ氏は2023年5月、広島での先進7カ国首脳会議(G7サミット)にオブザーバー参加するため来日。昨年5月に当時の岸田文雄首相がブラジルを訪問、同年11月には石破首相がリオデジャネイロで開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席するため訪れた。
経済・投資や気候変動では、地球温暖化の一因になっているアマゾンの熱帯雨林違法伐採への対応や脱炭素分野の協力が主要テーマとなる。ブラジルを代表する農作物サトウキビを使ったバイオ燃料開発に、両国が協力して取り組む。
ブラジルは11月の国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)の議長国で、会議の成功に向けた協力もうたう。
〔写真説明〕石破茂首相(写真左)とブラジルのルラ大統領
(ニュース提供元:時事通信社)

- keyword
- ブラジル
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/03/25
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方