【ニューヨーク時事】世界気象機関(WMO)は19日、2024年の気温上昇幅が産業革命前と比べ1.55度に達したとする報告書を発表した。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」が気温上昇の抑制目標とする1.5度を単年で初めて超過。異常気象の深刻化が懸念される。
 前年に続き、観測史上最も暑い年の記録を更新した。温室効果ガス排出量の増加や、太平洋赤道域東部の海面水温が上昇するエルニーニョ現象などが原因という。北極と南極の氷の減少、氷河の消失が急速に進み、海洋温度、海面水位も過去最高となったことが確認された。
 WMOはこうした影響で、24年に世界で150を超える「過去に例のない」異常気象を観測したと報告。日本からは夏季の猛暑に加え、9月に能登半島北部を襲った記録的大雨を事例に挙げた。
 国連のグテレス事務総長は「地球は『救難信号』を発している」と危機感を表明。その上で、各国の指導者に対し、再生可能エネルギー導入などの対策強化へ「一歩踏み出さなければならない」と訴えた。 
〔写真説明〕大雨で川が氾濫し、被害を受けた住宅=2024年9月22日、石川県輪島市

(ニュース提供元:時事通信社)