政府は18日、大規模災害時や感染症まん延時に海上で医療を提供する病院船の整備推進計画を閣議決定した。石破茂首相は首相官邸で開かれた船舶活用医療推進本部の会合で、2026年1月の運用開始に向けて体制整備に万全を期すよう指示した。
 首相は会合で、南海トラフ地震や首都直下地震を例示し、「災害発生時に陸上の医療機能を補完し、船舶を活用した医療を提供する」と語った。
 計画は、当面の間は民間の既存船舶を活用して医療提供体制を整備すると明記した。船内に一定の空間があるカーフェリーなどの活用を想定しており、今後、船舶事業者と協定の締結を進める。実績の積み重ねを踏まえて専用船舶の保有につなげると記したが、時期は明示しなかった。
 医療従事者や医薬品は災害派遣医療チーム(DMAT)や日本赤十字社の協力を得て確保。患者を被災地から搬送する「脱出船」、被災地付近に接岸して医療を提供する「救護船」の役割を想定する。ニーズに柔軟に対応し、被災者の休憩所や福祉サービスの提供所などにも利用する。 
〔写真説明〕船舶活用医療推進本部会合で発言する石破茂首相(左から3人目)=18日午前、首相官邸

(ニュース提供元:時事通信社)