【ワシントン時事】トランプ米大統領は11日、カナダから輸入される鉄鋼、アルミニウムへの追加関税を2倍の50%に引き上げるよう指示したと発表した。12日午前に適用する。SNSに投稿した。カナダのオンタリオ州が、米国の一部に対する送電に輸出税を課すと決めたことへの対抗措置。米国とカナダが互いに報復し合う「貿易戦争」に発展しつつある。
 トランプ氏はSNSで、同州からの送電を受ける米国の一部地域に対し、電力に関する「非常事態」を宣言すると表明。さらなる対応を示唆した。さらに、カナダが課す乳製品への高関税を即座に引き下げるよう要求。応じなければ「4月2日にカナダから輸入される自動車への関税を大幅に引き上げる」と警告した。
 トランプ氏は「カナダの自動車産業を実質的に、永久に閉鎖することになる」とも脅迫。「カナダは国家安全保障にほとんどお金を払わず、米国の軍事的保護に頼っている。米国は年間2000億ドル(約30兆円)以上の補助金をカナダに払っている」と主張した。その上で、改めて「米国の51番目の州になるのが合理的だ」と挑発した。
 一方、オンタリオ州のフォード首相はSNSに投稿し、「関税の脅威が永久に過ぎ去るまで、われわれは引き下がらない」と表明した。
 トランプ政権は12日、輸入されるすべての鉄鋼、アルミに25%の追加関税を適用する予定だ。 

(ニュース提供元:時事通信社)