再び「想定外」の災害となった熊本地震。
観測史上初めて立て続けに震度7を記録し、余震もこれまでの直下型地震の数を大幅に上回った。
しかし、想定外として終わらせてしまってはいけない。
全国どこでもこうした地震は起きうる。今回の震災では、行政面においては物資の支援や被災者のケアに多くの課題が残った。
企業活動においても、サプライチェーンの途絶が東日本大震災以来、再び大きくクローズアップされた。
今回の震災から学ぶべきことは何か?
6人の専門家に教訓を語っていただくとともに、企業へのアンケート調査から企業が直面した課題を探った。
(編集部注:本特集では、リスク対策.comVol55号の最新号の記事を順次アップしていきます)
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熊本地震の対応における課題や苦労した点(自由回答より)
熊本地震の対応において、課題が生じたことや苦労した点を自由記述してもらったところ、長引く余震で復旧作業が難航したことや、安否確認システムが何度も作動して安否把握に時間がかかったこと、取引先の被災状況の確認に時間がかかったこと、支援要員を送る・受け入れるにあたり宿泊地や交通手段の確保に苦労したことなど、多くの回答を得た。
2016/06/13
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熊本地震 企業アンケート 製品・サービスの提供などに影響
本誌では、メールマガジン購読者を対象に、熊本地震における企業の対応状況について緊急アンケート調査を実施し、計331件の回答を得た。その結果、「自社や支店、自社工場などが被災した」とする回答は68件(20.5%)、「取引先が被災した」とする回答が128件(38.7%)、「業務委託先(データセンターやコールセンターなど)が被災した」とする回答が15件(4.5%)あり、回答者全体の約5割が何らかの被害があったとした。
2016/06/13
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住まいの復興に必要な知識
熊本地震による熊本県内の住宅被害は、全壊、半壊、一部破損を含め7 万866 棟(5月10日現在)、大分県内は、半壊・一部破損を合わせて1028 棟(5月9日現在)に上る。今回の震災では、応急危険度判定について、赤色の貼紙を「倒壊の危険性がある」とするなど、誤った報道も相次いだ。すまいの復興に必要な知識について、長岡技術科学大学大学院准教授の木村悟隆氏に解説していただいた。
2016/06/10
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支援物資供給上の課題 東日本大震災と熊本地震の違いを考察
熊本地震で、大きな課題となったのが物資の支援だ。政府は4 月16日の本震を受け、自治体からの要請を待たず、非常食90 万食や子ども用紙おむつなどを「プッシュ型」で被災地に届けると発表した。が、被災地にはなかなか必要とされる支援物資が届かないなど問題は長期化した。元陸上自衛隊将補(陸将補)で日本大学危機管理学部教授の吉富望氏に解説していただいた。
2016/06/09
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戦略的な被災企業の支援へ 静的情報と動的情報をいかにつなぐか
熊本地震は自動車や半導体会社などの産業集積地を直撃した。供給網の寸断、ラインの停止は被災地だけの問題にとどまらず、瞬く間に全国、そして世界へと影響が及ぶ。そして、こうした産業が衰退することは、地域経済そのものの疲弊へとつながる。行政に求められるのは戦略的な産業復旧の支援だ。名古屋工業大学大学院教授の渡辺研司氏にどのような支援が必要か解説いただいた。
2016/06/07
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被災自治体の支援制度が必要 熊本地震に学ぶ小規模自治体の災害対応
最も苦労したのが被災した小規模自治体だろう。自らも被災者の立場ながら、初めての経験に加え、少ない職員数で住民を支援しなくてはならなかった。消防や警察、ライフライン企業の支援体制に比べると、行政の支援についてはまだ課題が多いようだ。災害時の行政対応に詳しい跡見学園女子大学教授の鍵屋一氏に小規模自治体の支援について解説してもらった。
2016/06/03
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前震・本震・余震型の地震 熊本地震の特徴
熊本地震では震度7が観測史上初めて連発したことに加え、内陸型地震としては最多ペースで余震回数を更新するなど、再び「想定外」という言葉が繰り返し使われる事態となった。専門家の立場から見た想定外は何だったのか?国立研究開発法人産業技術総合研究所活断層・火山研究部門招聘研究員で静岡大学防災総合センター客員教授の石川有三氏に解説いただいた。
2016/06/02
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「不測の備え」と「不断の備え」熊本地震の教訓
同じ場所で震度7が2 回起きるという前例のない災害となった熊本地震。犠牲者49人、行方不明者1人、さらに難生活による体への負担など地震の影響で亡くなったと思われる人は19 人に上る(5 月12日現在)。兵庫県立大学防災教育研究センター長の室﨑益輝氏に、熊本地震で教訓とすべきことを寄稿していただいた。
2016/06/01
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熊本地震 Photo Share 南阿蘇編~土砂災害について考える~
写真を拡大 震災後も変わらない、阿蘇の雄大な風景 熊本を中心とする地震で犠牲になられた方のご冥福をお祈りするとともに、被害にあわれた方々に心からお見舞いを申し上げます。本ページの記事で使用した画像は、防災・減災に役立てる目的であれば、全て当方の許諾なくあらゆるメディアでの転載利用可とします。
2016/05/12
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熊本地震 Photo Share 益城町編~レジリエンスな住宅は可能か?~
写真を拡大熊本を中心とする地震で犠牲になられた方のご冥福をお祈りするとともに、被害にあわれた方々に心からお見舞いを申し上げます。本ページの記事で使用した画像は、防災・減災に役立てる目的であれば、(一部人物写真を除き)全て当方の許諾なくあらゆるメディアでの転載利用可とします。
2016/05/10