2020年8月号 豪雨対応
レジリエント企業を目指せ
~激甚化する気象災害に備え社会を支える~
「これまで経験したことのない豪雨」が、毎年のように日本列島に甚大な被害をもたらしています。激甚化の度を年々強める気象災害に、企業はどう立ち向かえばいいのか。予期せぬ水害に見舞われながらも、しなやかに立ち直る企業の共通点とは――。
8月号は「激甚化する気象災害への備え」をテーマに、地方中核企業の事例を取材しました。
昨年の台風19号水害で主要生産拠点が水没し長期の出荷停止を余儀なくされたきのこ総合企業のホクト(長野県)、一昨年の西日本豪雨で酒造りが止まり独自ブランド消滅の危機も囁かれた旭酒造(山口県)。両者には、日頃の取り組みの中で強い組織をつくり上げてきた経緯がありました。被災から復旧までをインタビュー形式で紹介します。
Contents
巻頭インタビュー
日本企業のリスクマネジメントは機能したか?
関西大学社会安全学部教授 亀井克之氏
事例
激甚化する気象災害に勝つ
01
「地の利」を味方に台風19号水害へ迅速対応
主要生産拠点停止するも他工場でカバーし雇用維持
ホクト
02
西日本豪雨を乗り越えた珠玉の日本酒
一時市場から消えかかった『獺祭』が復活するまで
旭酒造
分析 ANALYSIS
緊急事態宣言後の組織の動き
第2回 新型コロナウイルス感染症への対応状況に関する緊急調査
リスク対策.com/首都圏を中心としたレジリエンス総合プロジェクト
講演録
コロナとの共存を見据えたBCP
サプライチェーンとグローバル戦略の見直し
名古屋工業大学大学院 社会工学専攻教授
リスクマネジメントセンター防災安全部門長
渡辺研司氏
※リスク対策.PRO会員は、専用ページからダウンロードできます。
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【風水害の被災経験を生かす】西日本豪雨を乗り越えた珠玉の日本酒
旭酒造(山口県岩国市、桜井一宏社長)が造る純米大吟醸酒「獺祭(だっさい)」。精米歩合23%の最高水準まで磨かれた酒に魅了されるファンは多く、地方の酒蔵ながら売上は大手メーカーに引けを取らない。その同社が西日本豪雨で被災したのは2年前の7月だ。排水処理設備が水没したほか停電の影響で発酵中の酒も温度コントロールを喪失し、製造・出荷の停止に追い込まれた。一時は「『獺祭』はなくなるかもしれない」という風評も出たが、1カ月後には稼働を再開。桜井一宏社長に復旧までの経緯を聞いた。
2020/10/22
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【令和元年東日本台風から1年】予期せぬ堤防決壊 「地の利」を味方に迅速対応
きのこ総合企業のホクト(長野県長野市、水野雅義社長)は1日約250 万パックのきのこを出荷。中でもエリンギは国内市場で50%近いシェアを持つ。うち約6分の1を生産する長野市の赤沼きのこセンターが昨年10月、稼働停止に追い込まれた。台風19 号による千曲川の洪水で、培養・生育中のエリンギとともに工場機能が壊滅。生産を再開し6月15日に出荷を果たすまで約8カ月かかった。その間、どのようなBCP 対応を行ったのか、丸山幸一総務部長、宮下尚武社長室長、前田哲志広報・IR 室長に聞いた。
2020/10/12
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日本企業のリスクマネジメントは機能したか?
多発する自然災害や、事故、不祥事など、企業を取り巻くリスクは複雑かつ多岐にわたる。こうしたさまざまなリスクを想定し、BCP やリスクマネジメント活動に取り組んできた企業は少なくない。しかし、新型コロナウイルス感染症は、またも多くの組織に「想定外」をもたらした。そのリスクは現在進行中でこの先も不透明だ。企業は未曾有の脅威にいかに対処していけばいいのか。
2020/09/14
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きのこの「ホクト」、獺祭の「旭酒造」の、まさかの被災経験
「きのこの こ~のこ げんきのこ♪」でおなじみのきのこ総合企業のホクト(長野県)は、昨年の台風19号水害で主要生産拠点が水没し長期の出荷停止を余儀なくされた。一昨年の西日本豪雨で酒造りが止まり独自ブランド消滅の危機も囁かれた旭酒造(山口県)。両者には、日頃の取り組みの中で強い組織をつくり上げてきた経緯があった。被災からいかに復旧したのか、そこから見えてきた共通点とは‥‥‥。
2020/08/26
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コロナと共存する「転禍為福のBCP」とは?変化を見逃さず柔軟に危機対応、転換も恐れず
新型コロナウイルスの影響はグローバルサプライチェーン全体に及んでいます。供給の途絶だけでなく需要も落ち込み、現在なお出口が見えません。企業はこれからどのような戦略で事業を継続すればいいのか。6 月30 日に開催した危機管理カンファレンス基調講演で、名古屋工業大学の渡辺研司教授は「転禍為福」(禍転じて福と為す)のBCP のあり方を解説しました。
2020/08/04
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