2024/03/29
防災・危機管理ニュース
時事通信が主要100社を対象に実施した、2025年春の新卒採用計画の調査結果が28日、まとまった。24年春卒と比べて採用人数を「増やす」と回答した企業は前年の調査より3社減り33社だったが、3年連続で3割を超えた。構造的な人手不足の中、採用意欲は引き続き高い。人材獲得競争が激化する中、中途採用拡大で人材確保を進める動きも目立つ。
「増やす」と回答したのは33社で、百貨店の高島屋は「販売力強化のため」として今春採用予定の35人から25年春は60人に増やす計画。ヤマト運輸は「事業戦略と社員年齢構成の維持」を目的に258人から430人に増やす。海外事業拡大に注力する外食大手ゼンショーホールディングスも、「グローバル展開などでさらに人材が必要となる」として、グループで271人から約5割増の400人の採用を目指す。
約4割増やすJR東海は「育児休職など休職者数の増加と、転職による退職増加の影響」と説明。働き方の変化が採用計画に影響するケースもあるようだ。
一方、前年4社だった「減らす」は12社に増加。「昨年度に多くの人員を採用し、一定の必要数を充足できた」(日本航空)、「中途採用を含めた通年採用が増えている」(イオン)といった回答があった。
中長期的な採用環境については、「厳しくなる」と回答したのが55社で、前年調査の48社から増加。「売り手市場化と選考の早期化加速を実感している」(東京海上日動火災保険)、「小売業界は学生の志望が減少傾向にある」(ローソン)、「技術者の需要の高まりなどから、獲得競争が激化」(シャープ)などの回答があった。
中途採用に積極的に取り組む様子も目立つ。即戦力を求める観点から、富士通は子会社の富士通Japanを含め24年度の中途採用を2000人以上(23年度見込み1000人)としている。三菱UFJ銀行は600人(同347人)、ローソンは100人(同63人)、デジタル人材らの獲得を目指す双日は65人(同47人)といずれも大幅に増やす。
調査は2月中旬に記名式のアンケートを国内主要企業100社に送付。3月中旬までに回答を得た。
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- 人手不足
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/24
-
-
-
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
-
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
-
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方