2024/03/28
防災・危機管理ニュース
宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の宙組女性団員が急死した問題で、歌劇団や運営元の阪急電鉄、阪急阪神ホールディングス(HD)の幹部が28日、大阪府豊中市で記者会見し、女性への14項目にわたるパワーハラスメントを認める合意書を遺族と締結したと発表した。
会見に先立ち行われた調印の場では、グループトップの角和夫阪急阪神HD会長が遺族に謝罪。パワハラに関与した上級生が書いた謝罪の手紙も渡したという。慰謝料など解決金として相当額も支払うとしている。
同HDの嶋田泰夫社長は会見で「すべての責任は劇団にある。痛切に反省している」と述べた。
合意書では上級生や、宙組の運営に関わるプロデューサーらから女性に対し、厚生労働省の指針に該当するパワハラ行為があったことを明記。上級生が2021年8月に女性の髪をヘアアイロンで巻く際にやけどをさせたことや、同じ頃、女性に人格否定のような言葉を浴びせたことなど14項目を列記した。
同時に、再発防止の取り組みも公表。既に実施している年間興行数の削減などに加え、伝統的なしきたりや指導方法の見直しなどに取り組む。
また、加藤治彦元国税庁長官を座長に、内部統制の専門家や弁護士らでつくるアドバイザリーボードを4月から設置。劇団運営に助言を求める。
女性団員は昨年9月30日、自宅マンション敷地内で死亡しているのを発見された。歌劇団は、長時間にわたる指導や稽古などで「女性に強い心理的負荷」がかかり、安全配慮義務を果たしていなかったと認める一方、ハラスメントは否定する調査報告書を11月に発表。遺族側は上級生らからパワハラがあったと主張し、両者が代理人弁護士を通じて協議を続けていた。
〔写真説明〕宝塚歌劇団の女性団員が急死した問題で、パワハラ行為を認め謝罪する宝塚歌劇団の村上浩爾理事長(手前)ら=28日午後、大阪府内
〔写真説明〕宝塚歌劇団の女性団員が急死した問題について、記者会見で遺族側代理人が配布した遺族の思いや劇団との合意内容が書かれた文書=28日午後、厚生労働省
〔写真説明〕宝塚歌劇団の女性団員が急死した問題で、記者会見する阪急阪神ホールディングスの嶋田泰夫社長=28日午後、大阪府豊中市
(ニュース提供元:時事通信社)
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