■特集1 2020年へのカウントダウン
動き出した危機管理
国、自治体、企業が備えるべきリスクを検証
甘かった胸算用により、新国立競技場の建設をめぐるドタバタ劇は首相の白紙撤回の一声で一気に振り出しに戻った。しかし、わずかな時間の浪費も脇の甘さも許されないのが大会に向けた危機管理だ。これから2020年に向け、日本の危機管理は、間違いなく世界から厳しい目で評価される。
一方で、ドローンの首相官邸への落下や、新幹線内での焼身自殺など、これまで考えもしなかった事故や事件が不気味に続く。さらには、地震や大雨、噴火などの気象災害、エボラ出血熱やMERS(中東呼吸器症候群)などの感染症、サイバー攻撃と、ここ最近だけでも国民を震撼させるリスクは枚挙にいとまがない。
民間企業も無関心ではいられない。
オリンピックに関連するビジネスで事故が起きれば、またたく間にその情報がネットを通じて世界へと流れる。大会期間中の交通規制や通信の混雑により、ビジネスに影響が出ることも考えられる。そして、もう1つ、東京五輪では、イベントのサスティナビリティ(持続可能性)に関するマネジメントシステムの国際規格が採用される方針が決まっており、大会に使われる設備や資機材、商品・サービスなどについて一定の調達基準が設けられる可能性がある。
◆安全神話からの脱却
オリンピックを脅かす危機
◆オールジャパンで臨む危機管理体制
国、組織委員会、都の役割
◆対策が必要なリスクを選び出す
リスクマネジメントの鉄則
◆海外の五輪・スポーツイベントから学ぶ
「何か起きる」ことを前提に
◆リオ・ロンドン五輪のIT対策
サイバーセキュリティの方法論を変えろ
◆ボストン、ロンドンマラソンの危機管理に学ぶ
求められる連携、訓練、ソリューション
◆持続可能な方針に基づき厳しい採用基準
調達が民間企業の最大リスク!?
◆行動検知・生体認証などで2000億目指す
世界に誇る危機管理ビジネス
◆おもてなしと安全・警備は表裏一体
1010万人の観客を守れ!
■巻頭インタビュー 映画「天空の蜂」堤幸彦監督
沈黙する群衆に忘れさせてはならない
■特集2 間違いだらけの備蓄選び!?
防災大国日本には、数多くの備蓄品が揃う。しかし、ただ単に業者任せに「備蓄品を購入しているだけ」になっている企業も多いのではないだろうか。さらに備蓄品には「保管場所」と「メンテナンス」が不可欠で、絶えず担当者の悩みのタネとなっている。企業に本当に必要な備蓄とは一体何なのか? 必要なものが欠けて、不要なものを購入していないだろうか? 編集部独自の視点で、「機能する備蓄」を考える。
◆その備蓄、本当に必要ですか?
◆まずはトイレを備蓄せよ!
◆アルファ化米を美味しく食す!
◆備蓄食料はポップコーン?
◆家庭を守れない人に組織は守れない
■Topics
01 トラック1800台分の軽油を常時備蓄
02 原発避難にICカード活用
■new products
■FOCUS 県境を越えて地区防災計画策定
■DATA 企業の危機管理力調査
■TIEMS日本支部会報 あなたのまちの危険物質を考える
■講演録
01 loT時代のサイバーセキュリティ・リスクマネジメント
02 危機管理担当者が最低限知っておきたいCBRNEの基礎知識
■危機対応能力を高める状況判断と訓練手法(講演録)
■シリーズ
サマンサのBCP英語講座
奥はる奈のロンドン大学危機管理講座
直言居士
簡単に理解できるERM講座 勝俣良介
COP徹底解説 秋月雅史
レジリエンスに関する世界の調査研究 田代邦幸
従業員の命を守る「職場の医学」 鶴和幹浩
業種別BCPのあり方 小山和博
BCP担当者が最低限知っておきたい労務リスクマネジメント 岡本裕明
■news
発行日:2015年7月25日