噴火リスクにどう備える?
数百年、数千年に1度と言われるような自然災害は、知識では分かっていても、実際に体験した人がいないため、何が起こるのかを予測することは極めて難しい。これが災害対策の盲点でもある。
3.11以降、防災計画やBCP(事業継続計画)における被害想定の見直しが行われているが、噴火のリスクについて考えている企業や自治体は少な い。一方で、過去、世界で発生しているマグニチュード9以上の地震では、その直後から数年以内に必ず噴火が起きている。日本は世界の活火山の実に7%を占 める火山大国である。しかも、ここ100年、大規模な噴火が発生しておらず、噴火のエネルギーがため込まれているとの推測もある。
噴火のリスクを闇雲に煽るつもりはない。富士山をはじめとする美しい風景は、火山が作り出したものでもあり、観光立国を目指す上では風評被害も考慮 しなくてはいけないからだ。そして近く発生が懸念される首都直下地震や南海トラフの巨大地震への対策との優先順位も考慮しなくてはいけない。それでも、日 本で暮らす以上、噴火を知る必要はある。今号では、噴火の仕組みと、影響、必要な対策についてまとめた。
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災害の種類 噴火による津波 で1万5000人が死亡
噴火によって引き起こされる災害は多岐にわたる。直接的な被害では、火口から流れ出す溶岩流や、火山ガス、火山灰、さらに溶岩の破片や火山ガス、火山灰が一団となって山の斜面に流れ出す火砕流・火砕サージと呼ばれるものなどが挙げられるが、火口の場所や規模、種類、時期、継続期間などにより、災害の姿はまったく違ってくる。
2016/07/18
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企業の対策① 噴火に備えたBCPの考え方 基本は代替戦略、網羅的に経営資源を見直せ
噴火は、その規模や火口の位置、発生の時期などによって社会に及ぼす影響がまったく異なる。企業はいかに備えればいいか?確かに噴火は、規模が大きかったり小さかったり、そのスケールにかなりの幅があり、影響が異なる。
2016/07/18
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降灰被害 交通機関の麻痺、停電 サプライチェーンの途絶
都市部における降灰被害は推定が難しい。火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長によると、世界的にも、近代都市において、火山の降灰による被害を大きく受けた場所は無く、富士山をはじめ多くの火山の降灰リスクを抱える東京は極めて稀な都市と言える。
2016/07/18
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噴火が引き起こす災害
写真を拡大 資料:USGS、富士山ハザードマップ検討委員会報告書、日本一の火山富士山(山梨県環境科学研究所)を参考に作成用語解説 ①降灰 噴火によって火口から空中に噴出された火山灰が地表に降下する(火山灰とは、は直径2mm以下の破砕された岩片を指す)。
2016/07/18
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鬼界カルデラの噴火で四国の縄文人が絶滅した
「最近の観測で分かってきたこととして、火山の下でマグマは供給され続けるため、噴火してからの時間が長ければ長いほど大きな噴火になる可能性が大きい」。 国内では桜島(鹿児島県)の大正大噴火(1914年)以降、大規模な噴火は起きていない。富士山も宝永の噴火(1707年)が最後だ。
2016/07/14
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鹿児島市に聞く降灰の影響と対策Q&A
日常的に降灰被害を経験している鹿児島市では、どのような対策を講じているのか。市の担当者に市民生活も含めた降灰対策について、Q&Aをまとめてもらった。なお、ここ数年における鹿児島市での降灰量は1回の噴火あたり数ミリ以下となっている。
2016/07/13
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新たな対策 火山防災リスクマネジメント
火山噴火の規模には、小規模で周辺地域に影響を及ぼさないものから、数千年から数万年に一度発生して地球規模で広範囲に被害をもたらすような大規模なものまで様々なケースがある。さらに、火口の位置、噴火の様式、継続時間、噴出物などによっても引き起こされる災害の形態は異なる。
2016/07/12
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噴火の仕組み M9以上の地震ではすべて噴火が起きている
過去に地震が火山噴火を誘発した例としては、300年前の宝永地震約(M8.6)と富士山宝永噴火が挙げられる。1707年10月28日、遠州灘沖から紀伊半島沖を震源として発生した宝永地震の49日後に、富士山が噴火したのだ。
2016/07/11
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企業の対策④ 保険戦略 噴火に備え保険を見直せ物損害を伴わない被害に注意
地震による企業の社屋や工場などの被害は、火災保険で地震特約(以下、地震保険)に入っていればカバーされる。しかし、火山の噴火の場合はどうだろう。保険仲介業者のマーシュブローカージャパンバイスプレジデントの中澤哲郎氏は、物損害を伴わないケースは地震保険による補償は基本的に難しいとする。
2016/07/01
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企業の対策③ 建設業における噴火対策 浅間山を想定した噴火BCP火山警報レベルが発動基準
火山噴火を想定している企業が群馬県嬬恋村にある。浅間山の麓にある総合建設業の渡辺建設株式会社だ。製造業やサービス業とは違い、建設業者は、噴火後も、道路の除灰作業など、事業活動にあたることが求められる。
2016/07/01
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企業の対策② 富士山の噴火に備える 課題は「モノ」の対策代替物流の検討も
富士山が噴火した場合、被害は火山周辺地域に留まらず、東京や神奈川など広い範囲に降灰などの影響が及ぶといわれている。近年発生したアイスランドの噴火では、物流やサプライチェーンが一時的に途絶するなどの被害が見られた。富士山の噴火が懸念される中、BCPの観点からどのように噴火対策を考えればいいのか。
2016/07/01
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富士山ハザードマップにみる国と自治体の連携モデル
噴火の影響は広範囲に及ぶため、火山災害の軽減のためには国や複数の自治体が連携した広域的な防災体制の確保が必要になる。しかし、自治体間の連携の取り組みは、なかなか進んでいないのが現状だ。最も対策が進んでいる富士山を例に、広域的な防災計画のあり方を探った。
2016/07/01
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課題 110の活火山のうち観測できているのは47だけ
2003 年1月、 火山噴火予知連絡会 は、 「おおむね1万年以内に噴火した火山、 および現在活発な噴気活動の ある火山」 を活火山と定義し108 を指定した。 2011 年(平成 23) 6 月に新たに 2火山が選定され、 現在国内の活火山の数は 110となっている 。
2016/07/01