「備える防災」から「備えない」防災へ
災害は「総力戦」で立ち向かう時代だという。激甚化する気象に、少子化・高齢化が進む社会。限られたリソースで対応していたのでは、もはや繰り返し襲い来る危機を乗り越えられない。「総力戦」とはすなわち、一般の一個人一企業も防災のメインプレイヤーとなって戦うこと、つまり災害に備えるということだ。
実際、災害への備えが十分でないことは、多くの人々が感じるところだろう。だが、リスクは顕在化しない限り目に見えないうえ、かけられるコストには限界がある。一個人一企業では手に負えない側面があるのは確かで、そのことが積極的な取り組みを妨げる要因にもなってきた。それがいま、ビジネスシーンから、大きく変わろうとしている。
「備える防災」から「備えない防災」へ――。東日本大震災から11年、防災ビジネスの新たな潮流を探る。
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着ているジャケットが枕やバッグに早変わり
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2022/03/16
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2022/03/14
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「備える防災」から「備えない防災」へ
巨大災害の危機が叫ばれ、市場にはさまざまな防災商品が並んでいるにもかかわらず、なぜ私たちは十分な備えができないのか。この問題を解くカギとして注目されているのが「フェーズフリー」という概念です。「防災ビジネスを本質的に転換しない限り、繰り返す災害は解決しない」と説く一般社団法人フェーズフリー協会代表理事の佐藤唯行氏に、防災の課題と解決の方向性を聞きました。
2022/03/10