アンサンヒーロー・警備員の社会的地位向上を目指して
知ってほしい「縁の下の力持ち」の存在
安全は「タダ」でも「たまたま」でもない
Toki's SECURITY Lab./
平川 登紀
平川 登紀
旧姓・宇田川。映画『羊たちの沈黙』のFBI訓練生クラリスに憧れ渡米。ワシントン州立大学大学院で犯罪法学(Criminal Justice)の修士号を取得。帰国後、航空セキュリティ関連の財団法人で、空港保安検査員の研修や保安検査状況の監査を担当し、航空セキュリティに興味を持つ。2007年、東京大学大学院博士課程へ進学し、本格的に航空セキュリティマネジメントの研究をスタート(2011年単位取得満期退学)。2021年に佐賀県唐津市へ移住。現在、フィジカルセキュリティストラテジストおよび航空セキュリティ研究者として活動中。
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安全を守る姿勢に感謝
日本はずっと、水と安全はタダと言われてきました。しかし、今ではコンビニでペットボトルの水が売られ、お金を払ってミネラルウォーターを購入することが普通の光景となりました。健康のために1日2リットルのミネラルウォーターを飲むとか、はやりましたよね。では、水と同じようにタダと言われてきた安全ですが、安全な生活のために皆さんは費用をかけていますか? 水は買うのに、安全は?
最近のニュースを見ていると、起きて、出かけて、帰宅して、寝る、翌日起きて、出かけて…という私たちの日常生活は、しごく当然にできているわけではないということがよくわかります。いつものように家を出ても、そのとき「たまたま」痴漢やスリに遭遇したり、通り魔的な犯罪、自動車の暴走、電車の事故などに「たまたま」巻き込まれ命を落とすことがあるかもしれません。いつもの生活を送れることが当たり前ではなく、どれほどラッキーなことなのか、私たちは普段あまり意識をしていません。そこには、皆さんが「たまたま」事件や事故に遭わないように、皆さんの安全を守っている「警備員」という存在があります。彼らのことを知っていますか? そしてその存在に気づいていますか?
警備員の存在を意識することはありますか?
「警備員、もちろん知っているよ」という方、今日1日を少しだけ振り返り、何人の警備員を見かけたか思い出してみてください。会社の門の前に1人とか、駅構内に2人いたとか、何人見かけましたか? 私は駅までの道のりで5人の警備員と会いました。自宅からすぐのホームセンターに歩行者と自動車の安全確保のために2人、工事のため片側通行の道路上に車両の安全な往来のために2人、駅へ続く地下道に人々の行き来を見守るために1人、合計5人です。
警備員が存在している理由、それは何よりもまず私たちの安全を守るためです。私たちが安心できる状況で日常生活を送ることができるのは、たまたまという偶然によるものではなく、警備員の存在という必然により成り立っていることが多いのです。彼らは工事現場や駐車場での交通誘導、繁華街でのパトロール、オフィスビルや駅構内での立哨(りっしょう)、イベント時の雑踏警備など、私たちの近くで活動しています。しかし、その存在を認識している人がどのくらいいるのでしょうか? 彼らのことを邪魔だなと思うことはあっても、「安全を守ってくれてありがとう」と感謝することって今まで何回ありましたか?
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