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安心、それが最大の敵だ
私が愛するアメリカ詩人R・フロスト~自然と人生~
私はアメリカに取材旅行や現場視察などで出かける際に、必ずと言っていいほど1冊の英語詩集を旅行カバンに入れた。現代アメリカを代表する詩人の一人ロバート・フロスト(1874~1963)の詩集である。何度も携帯したのでハードカバーの詩集はボロボロである。私はフロストの詩に学生時代に巡り合って以降、彼の作品を半世紀もの間愛読している。とりわけフロストが長年住みつき詩の舞台として描いた自然豊かなアメリカ北東部のニューイングランド地方を訪れる時には全集を持参して機内、ホテル、取材の合間に思いつくままページを開いては黙読した(私はフロストとともにエドガー・アラン・ポーの詩集も愛読した)。
2018/11/19
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安心、それが最大の敵だ
詩人の魂を求めて~俳人・加藤楸邨と詩人・萩原朔太郎の「蕪村論」~
加藤楸邨(しゅうそん、1905~93、本名・健雄)は、近現代の日本俳句界を代表する俳人のひとりである。その作風は中村草田男や石田波郷らとともに「人間探求派」と呼ばれる。私は、楸邨の自然諷詠的な表現を排除し厳格に人生を探求する作風に強く魅かれるものがあり、楸邨について以下自己流に語ってみたい。粕壁(現埼玉県春日部市)の教師時代の作品を中心とする。
2018/08/27