およそ1カ月にわたり、オフィス防災の特集をお届けする。2011年の東日本大震災から6年半。震災後に策定したBCPによるオフィス防災も、そろそろ何回目かの見直しに入っているのではないだろうか。しかし、その考え方は、本当にあっているのだろうか。備蓄一つを取ってみても、「業者任せ」になっていないだろうか。東日本大震災であれだけ揺れたオフィスのロッカーの耐震固定。もしかしたらオフィスの引っ越しで忘れているなんてことはないだろうか。編集部独自の視点で、オフィスの防災を考えてみたい。
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平時から考える。企業で身近な感染の話
BCPは何も災害時だけのものではありません。社員がインフルエンザなどの感染症でバタバタ倒れてしまったら、戦力の低下は免れません。今日は皆さんが知っていることも多いと思いますが、まずは基本から話していきます。 感染は、次のような経路があって成立すると言われています。微生物やウイルスなどの病気の原因があり(病因)、それを取り込む人や環境がある(病原巣)。それを取り込みやすい傷口や口などの開口部があって(排出門戸)、伝播する経路があり(伝播経路)、別のものにそれを移す(侵入門戸)。そしてそれらを受け入れやすい人がいて(感受性宿主)、感染が成立します。
2017/12/06
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発災後、6時間で7割の人がトイレに。企業にトイレの司令塔を!
1995年の阪神・淡路大震災でも2011年の東日本大震災でも、そして2016年の熊本大地震でも、「避難所で困ったこと」として上位に挙げられたのは食料でも暖房でもなく、トイレでした。この国では20年以上前から、災害時のトイレに困っているのです。建物内のトイレに「大便はトレイに紙を敷いて、紙のまま汚物入れに入れてください」という張り紙がありました。時間が経つにつれてメッセージが書き足され「必ず守ること!」などと口調が強くなってくる。守れない人が多いのでしょう。しかし、私たちは通常、1日7回から8回、もしくはそれ以上、トイレに行きます。災害時に、いつもと異なる方法で排泄するのはなかなか難しいのです。
2017/11/27
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ふるさと納税での備蓄で被災者支援へ
ミューチュアル・エイド・セオリーは16日、「Guardian(ガーディアン)72」と題した、災害時に役立つ備蓄品を詰め合わせたボックスの配送事業について東京・千代田区の霞山会館で記者発表会を開催した。被災者支援の準備としての備蓄とは別に、首都直下地震に備えた企業での備蓄向けとしても販売。ふるさと納税を活用し、地方自治体に購入を要望する方針も示した。
2017/11/17
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どれだけ離れていても一斉に連絡可能
株式会社サークル・ワン(本社:大分県別府市)は、防災用小型IP通信機「ハンディ・コスモトークC250TR」の販売を進めている。パケット通信網を利用し通信するため、災害時に遮断されにくい。平時は組織別に利用し、有事の際には予め構成した枠組みの中で、組織・団体に関係なく、いつでも、どこでも、誰とでも通話ができる。
2017/11/13
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企業の防災をもっと楽しく、HAPPYに!
「どうやったら防災をもっと楽しくできるだろうか」というのは、企業のBCP担当者の代表的な悩みの1つではないだろうか。商業ビルの賃貸や映画館、飲食店などエンターテインメント産業を手広く営むヒューマックスグループは、2015年から帰宅困難者対策の一環として、居住する地域ごとに災害時に支援協力するチームとして「HAP(Humax Area Partnership)」を立ち上げ社員に対する防災の普及啓発に力を入れている。
2017/11/08
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渋谷ヒカリエ、再開発地域の対災拠点に
東京・渋谷地区は大災害発生時、職場や学校に約3万6000人がとどまり、さらに屋外で約3万人が行き場がなく滞留すると予想されている。本社を置く渋谷地区で駅のみでなく多くの施設を所有・管理する東京急行電鉄。同社は約100カ所の企業や学校のほか行政で組織する「渋谷駅周辺帰宅困難者対策協議会」で中心的な役割も果たしている。
2017/11/08
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抗菌剤噴射でオフィス全体感染症予防
株式会社デルフィーノケアは、室内で接触するすべての面を抗菌コーティングする感染予防対策サービス「オフィスまるごと抗菌」の販売を進めている。専用の噴霧器「ミクロジェット」を使い、抗菌剤「デルフィーノ」を3ミクロンの霧状で噴射し、床・壁・天井の6面をはじめ、ドアノブや電話の受話器、キーボードなど普段触れる全てのものにナノ単位の細かな粒子を潜り込ませる。室内全体を抗菌仕様にするので、従業員が意識することなく、感染症のリスクを減らすことができる。
2017/11/01
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もう一度見直そう、あなたと企業の備蓄品
企業の備蓄を見直す前に、あなた自身の備蓄品を見直してみてはいかがだろうか?会社にいる時間を1日8時間とすると、24時間のうちの3分の1。さらに年間トータルでみると、企業に年間120日の休日があるとして、実は会社にいる時間は1年間のうちの2割強程度にしかならない。企業が備蓄しているだけでは、あなた自身が生き延びるためには不十分なのだ。守られる側から守る側に回るために、もう一度自分自身の備蓄を確認してほしい。
2017/10/31
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帰宅困難者対策は補助や外部協力拡大で
災害時の一斉帰宅を抑制し、企業に備蓄を促し都が帰宅困難者の一時滞在施設確保に努める「東京都帰宅困難者対策条例」が施行されて4年が経過した。都内一時滞在施設の受け入れ人数については7月1日現在で32万8374人と目標である92万人の3分の1程度にとどまっている。首都直下地震が発生した場合、500万人以上の帰宅困難者の発生が予測される東京。都の取り組みについて取材した。
2017/10/31
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発災初日分用A4サイズ備蓄キット
レスキュープラスが販売する「備災箱」(9月4日発売開始)は、災害発生後、最初の1日を過ごすために最低限必要となる1人分の食料と生活用品を化粧箱にコンパクトに収納したもの。会社が全従業員の3日分の生活必要物資を備蓄していたとしても、熊本地震のように天井の崩落などで社内にとどまることができないような地震災害が発生した場合、備蓄品が取り出せなくなる可能性があるため、従業員一人一人が緊急時に持ち出しやすいよう大きさや形状を工夫した。
2017/10/31
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首都直下地震、行き場のない1000万人
東京都に居住したり、働いたりするうえでまず押さえておきたい数字がある。東京都の人口は2017年10月現在で1374万人。平日の昼間であれば、近隣県から働きに来る人も多いため、東京都の昼間人口は1557万人(2010年内閣府発表数字)にまで膨れ上がる。
2017/10/30
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東京都、11・19「備蓄の日」啓発活動
東京都は9月20日、11月19日の「備蓄の日」に向けた「備蓄キャラバン」と「備蓄の日フェスタ」の実施について発表した。キャラバンは今月20日から都内4カ所で、フェスタは11月19日の備蓄の日当日に新宿区の新宿駅西口広場イベントコーナーで開催。いずれも参加料は無料。備蓄に関する啓発活動を行う。
2017/10/04
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災害時に必要な資機材など管理代行
日立システムズとグループ会社の日立システムズフィールドサービスは19日、全国約300カ所のサービス拠点にいる日立システムズグループのエンジニアを活用した、企業の現場業務のデジタライゼーションを支援するサービスを拡充すると発表した。日立システムズは全国の自治体向けに、防災資機材や備蓄品の正確な管理を支援する「統合資産管理サービス 防災資機材管理モデル」の販売を開始。災害発生時に自治体が災害に対して迅速に対応し、現場の混乱を最小限に抑え被害の拡大を防ぐことができる。
2017/09/29
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電池や火を使わない使い切りライト
株式会社ルミカ(本社:福岡県古賀市)は12日、電池や火が不要な使い切りの「防災用簡易ライト ロング ポッキンパ!!」を1日に販売開始したと発表した。長い棒状の本体を軽く折り曲げるだけで簡単に光り、発光が約10~12時間持続する。化学反応によって光り、熱は発生しない。完全防水構造なので雨天や水中での使用も可能。全長370mmと発光面が大きく、広い空間でも明るく照らす。
2017/09/21
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政府、新型インフル薬備蓄量15%減へ
政府は12日、新型インフルエンザ等対策政府行動計画の一部変更について閣議決定を行った。2013年6月に定められてから初の変更。主な変更は抗インフルエンザ薬の備蓄量についてで、「国民の45%に相当する量」としていた表現を全人口の25%がり患すると想定し、その治療や医療対応に必要な量に変更した。行動計画に基づいたガイドラインも今月中にも変更の予定で、従来の5650万人分を約15%減の4770万人分に減らす。
2017/09/13
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2020年に人口10%分支援物資配送体制
株式会社ミューチュアル・エイド・セオリーは1日、「Guardian(ガーディアン)72」と題し、災害発生直後から特に混乱する72時間、物資仕分けを必要としない災害支援ボックス「Guardian72」を被災地に近隣の備蓄倉庫から短時間で被災した人達に届ける支援物資備蓄配送システムと、被災後のトータルケアサポート 事業について発表した。プロジェクトサポートとして一般社団法⼈・防災支援システム研究所準備室を開設。東京オリンピック・パラリンピックのある2020年7月までに日本の人口の10%にあたる約1280万セットの備蓄を目指す。
2017/09/12
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東京都、感染症予防計画10年ぶり改定へ
東京都は10年ぶりに感染症予防計画を改定する。5日、「東京都感染症予防医療対策審議会」の今年度第1回会合を開催した。3月の国の感染症予防の基本指針が改正されたのを受け、都でも2008年3月に策定された現行計画を改定する。西アフリカでのエボラ出血熱流行やデング熱の国内感染といった、国際化が背景にある最近の状況に対応する観点から見直す方針が示された。10月前半には答申素案として中間まとめ、2018年1月に答申を行い、今年度内に改定を完了する。
2017/09/06
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GINZA SIXで初の帰宅困難者受入訓練
東京・中央区銀座の複合商業施設「GINZA SIX(ギンザ シックス)」で25日、開業後初となる災害時帰宅困難者受け入れ訓練が行われた。銀座6丁目の企業49社で構成される「銀座六丁目町会」の会員から30人が参加。災害時は最大3000人を3日間受け入れる体制を整えている。
2017/08/25