変わるリスクスケールとアプローチ
社会を取り巻くリスクスケールが増大し、一分野・一組織が部分最適で取り組んでいても根本的な問題解決に至れない時代。とはいえ、一人一人が全体最適志向を持って動くのは至難だ。
まずはリスクの全体像とそこで発生する数多の問題を整理する、そして置かれた現実をあらゆる情報を使って把握しながら目指すべき社会の姿とともに共有する、その上に立ってさまざまな分野・組織・部門が垣根を越えて知恵を出し合う。そのための仕組みが以前にもまして求められている。
糸口の一つが、SDGs、RE100、TCFDといった国際的な指標や枠組み。これは、企業がさまざまな社会課題にビジネスをもって応えながら、成長を維持し、かつ、環境にベクトルを合わせていくための羅針盤だ。もう一つはデジタルツインやソサエティー5.0 が目指す仮想の現実空間の再現。見えない情報の可視化は、多様な関係者が共通認識のもとでアクションを起こすためのタタキ台になるだろう。
いま、リスクのスケールとアプローチはどう変わり、企業・組織の取り組みはどこまできているのか。環境と防災の関わり、気候変動への対応を切り口に、専門家インタビューと事例からひも解く。
※本特集は「月刊BCPリーダーズ」の記事からお届けします。
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経営層のコミットが強い会社ほどうまく進む
東京証券取引所は、プライム市場の上場会社にTCFD 提言に沿った気候変動リスクの情報開示を求めています。企業のTCFD 開示をサポートし『TCFD 開示の実務ガイドブック―気候変動リスクをどう伝えるか』(中央経済社)の執筆陣の一人でもある、KPMG あずさサステナビリティの鳥井綾子マネージャーに、TCFD 開示の取り組みについて聞きました。
2022/09/22
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環境容量を限界まで使い余力失った社会
猛威の度を増す自然現象に、脆弱の度を増す社会。各方面でレジリエンスが叫ばれていますが、来るべき理想の未来像は見えてきません。環境、防災の問題に対応した持続可能な社会システムとはどういうものか、有効なツールや対策は何か。横浜国立大学副学長で同大学大学院都市イノベーション研究院教授の佐土原聡氏に聞きました。
2022/09/05