2020/12/23
防災・BCPお役立ち製品・サービス
2020年初来、新型コロナウイルス感染拡大とそれに対応するための新たな生活様式の模索が続く中、企業の事業継続においても様々な感染予防対策が求められている。感染予防手法である「空気清浄」や「消毒」の観点から、各メーカーが新たに提案するコロナ対策関連製品を紹介する。
20畳の室内を30分で浄化する空気除菌装置

医療・健康機器などの製造を行うフジデノロは、新型コロナウイルス感染症の「空気感染(エアロゾル感染)予防」のために開発した空気除菌装置『eLENA エレナ』を新たに提案する。強い除菌効果を持つ「UVC(短波長紫外線)」を用いたもので、UVC光源のうちで最も殺菌効果の高い254ナノメートルUVCランプを採用する。
UVCの利用効率を極限にまで高めた高性能照射ユニットは、新型コロナウイルスを“1.0秒たらず”で不活性化するという。20畳(100立方メートル)の室内を30分で広範囲に浄化する高い空間循環率を備えるほか、殺菌効果の高い光源を高性能照射ユニットから外部に一切漏らさない安全設計をとる。
同製品に使用するUVC光源は、藤田医科大学の研究グループによる新型コロナウイルス不活性化実験において、40cmの距離から2秒の照射で感染性ウイルスを95.5%減少、10秒の照射で99.99%減少させることを確認した。また、本体内部の空気流路構造を工夫することで、新型コロナウイルスを0.65秒で不活化できるという。
そのほか、同製品の消費電力は24時間使って30.3円、1カ月使い続けても909円の低コスト。推奨する2年に1度のランプユニット交換以外には、フィルターなどの交換コストもかからない。
同製品は、20ワットのランプ2本を使用。ランプ寿命は8000時間。電源電圧は交流100ボルト、消費電力は65ワット。本体サイズは、高さ983×直径200ミリメートル(脚部直径270ミリメートル)。質量は約14.5キログラム。
新しい生活様式に適したUV-C機能付きマイナス・イオン空気清浄機
調理・理美容家電メーカーの三ッ谷電機は、「UV-C紫外線機能付きマイナス・イオン空気清浄機」を展開する。適用床面積8畳のコンパクトサイズで、オフィスのデスク周りに置いても邪魔にならず、移動も簡単。空気清浄だけでなく、感染症対策としても提案する。
同製品は、空気の汚れを「3層構造HEPAフィルター」、「UV-C紫外線」、「300万個/cc発生マイナス・イオン」の3つの機能で徹底浄化する。取り込んだ外気に含まれるPM2.5、花粉、煙などを3層構造HEPAフィルターによって除去し、外気が本体内を通過する際にUV-C紫外線を照射して空気を循環させる。さらに浄化された空気と共にマイナス・イオン・ユニットから300万個/立方センチメートルのマイナス・イオンを発生させて排出する仕組み。
同製品は、パソコン・デスクの上や足元に置いても邪魔にならず、マイナス・イオンのリラックス効果も期待できることから、オフィス環境でも有効。ささやき声より静かな音で稼働する「おやすみモード」も備える。
製品サイズは、幅約205×奥行約205×高さ約295ミリメートル。定格電源は交流100ボルト。消費電力は、強モード・UV有りで10ワット、UV無しで9ワット、おやすみモード・UV有りで5ワット、UV無しで4ワット。重量は約1.9キログラム。価格は1万2091円(税抜)。
空気質を総合的に見える化するWi-Fi環境センサー
ラトックシステムは、「密」の指標となるCO2濃度など7つの値を測れるWi-Fi接続の環境センサー「RS-WFEVS1」を販売する。スイスのセンシリオン社によるPA方式を採用したCO2センサーを搭載し、生活空間での精度の高いCO2濃度計測と換気対策を可能にするもの。
同製品は、コンパクトな筐体に、CO2、PM1/2.5/4/10、VOC、温度、湿度、気圧、UVの7種類のセンサーを搭載。Wi-Fiルーターに接続後、全項目の自動計測とクラウドへのデータ蓄積を開始する。計測結果は、スマホおよび本体LEDに表示される。
スマホ/タブレットの専用アプリ「エアミル2」を使うことで、計測したリアルタイム値を数値で把握し、変化をグラフで確認できる。温度、CO2、PM、VOC、紫外線は、しきい値を超えたときの通知設定が可能。「CO2濃度1000パーツ・パー・ミリオン以上が10分続いたら通知」といった条件で、換気が必要なタイミングでアラート通知が届くように設定できる。
本体では、CO2、PM2.5、VOCから選択した項目の注意レベルをLEDで表示。CO2選択時には1000パーツ・パー・ミリオン以上で橙や赤になり、換気のタイミングが一目で分かるようになっている。
クラウドに蓄積した計測データは、CSV形式でダウンロード可能。CO2濃度をレポートとして記録し、感染防止対策への取り組みを数値化して伝えられる。
動作環境は、温度0~40度、湿度20~80%(ただし結露しないこと)。外形寸法は、高さ約76×幅約76×奥行き約36ミリメートル(突起含まず)。重量は約120グラム(本体のみ)。製品本体のほか、USB Micro-Bケーブル、USB-ACアダプター、セットアップガイド、保証書(1年間)が付属する。
クルマづくりの技能と客の声で磨き上げた「足踏み式消毒スタンド」

トヨタ自動車は、クルマづくりの技能と客の声で磨き上げ、大規模病院など、プロの現場で改善を積み重ねることで、誰もが使いやすい製品に仕上げた足踏み式消毒スタンド「しょうどく大使」を販売する。
同製品は、子どもから車椅子の人まで自然な体勢でスムーズに使えるようにテストを重ね、足・手・身体の位置と動きの動線を最適化。直感的な動作でムラなく適量噴射できるように設計し、大勢が出入りする場所でも人の流れを滞留させないように配慮した。ノータッチの足踏み式のため安心・安全なほか、汚れやすいパーツは取り外して洗浄できる。
同製品は、トヨタ生産方式によって既にあるものを活用しながら、新たな設備や部品を作ることなく製作したほか、日本伝統の「からくり技術」による無動力の知恵・工夫を織り込むことで、税抜8000円の低価格を実現した。消毒液は同梱しない。車椅子用手押しハンドルはオプションとなる。
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