2020/08/05
中小企業の防災 これだけはやっておこう
第25回:防災活動の次に考えること その7
●レベルアップに向けて検討すること
(1)対策本部の設置場所
建物の被災状況によっては、予定していた場所に対策本部を設置できないことがあることを理解し、その場合の対応を検討します。
また訓練では、対策本部に必要な備品が揃っているかを必ず確認します。例えば、情報収集に必要なラジオの電池はあるか、期限切れになっていないか、情報集約用のホワイトボードやマーカーは揃っているかなど、被災時に困らないよう細部まで詰めておきましょう。
(2)要員の代替は円滑にできるか
対策本部を立ち上げた際、要員が負傷、そして外出・出張などの理由で不在となった場合、別の従業員が代わりの役割を果たす必要があります。実際の被災時にもそのような代替が円滑に進むように、訓練において、他の対策本部要員の役割について理解を深めることも大切です。
(3)外部組織との情報連携
取引先や自治体など外部組織との情報連携に関する訓練を行う場合は、当該組織と一緒に実施することを検討するとよいでしょう。実際に情報のやり取りをしてみることで、実効性の高いBCPを作ることができます。
また、実際に一緒の訓練ができない場合は、社内にその役回りを担う人を置くことでもよいでしょう。
【ここがポイント】
対策本部は、被災状況などさまざまな情報を集約し、それを踏まえて事業継続をリードする役割を担っています。被災時に、対策本部が的確に機能するよう訓練を活用します。
1. 自社の状況や今後の事業継続見込みは、取引先などの関係者に適時に発信する
2. 被災時には本部要員も欠けることを前提に準備を進める
3. 対策本部の場所が、大きな損傷を受けて使えないことも想定する
中小企業の防災 これだけはやっておこうの他の記事
- 第26回【最終回】:まとめ 防災活動の必須ポイント
- 第25回:防災活動の次に考えること その7
- 第24回:防災活動の次に考えること その6
- 第23回:防災活動の次に考えること その5
- 第22回:防災活動の次に考えること その4
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/01
-
-
-
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方