□解説:自社における感染経路の遮断を考える

今回のコロナウイルスのみならず、一般的な感染症対策としてよく言われるものに「感染経路を遮断する」というものがあります。今回のコロナウイルスの主な感染経路は飛沫感染と接触感染であることが判っていますので、企業が行うべき対策としては、飛沫経路および接触経路の遮断対策になるはずです。

飛沫感染は、会話、せき、くしゃみなどの際に鼻や口から出る飛沫に含まれるウイルスが、目安として1~2メートル以内にいる人の目や鼻、口から入り込んで感染する経路です。ですから、人との距離を置く「ソーシャルディスタンス」の考え方が基本的な対策になります。

接触感染は、ウイルス感染者のせきやくしゃみで飛んだ飛沫を何らかの理由で触ってしまい、さらにその手指で自分の目や鼻、口に触れた際に粘膜の細胞から感染する経路です。接触感染で注意したいのは、ウイルス感染者やウイルスが付着しているだろう場所を触っただけでは、ほとんど感染しないということです。問題は、その手指で自分の顔を触ってしまうことが感染につながってしまうことです。よって、「こまめな手洗い」が基本的な対策となります。

経団連をはじめ各種業界団体が制定したガイドラインの内容は、基本的には感染経路の遮断を意図した内容になっていますが、一般的な多くの企業を対象としているため、どうしても幅広の書き方になっています。個々の会社の事情、工場の実態に合わせ、「自社における感染経路の遮断とは何をすることか?」を検討した上での対策が望まれます。