2020/06/08
2020年6月号 コロナ対応
これから危機に強い経営を組み立てていくためには、自社の経営資源に対する被害想定を具体的に立て、その被害を最小に抑えて迅速に回復する方法を考えておくことが必要。このとき大切なのは、被害を経営資源ベースで考えることです。
企業が被害を受ける原因は感染症や地震、豪雨などさまざまありますが、これから起こる自然現象の大きさを予想するのは困難です。しかし、何かが起こったときに自社の経営資源がどれだけ傷むかは、比較的予想しやすい。起こり得る被害を人数や稼働率のような数字でとらえられますから、取り組みやすいと思います。
原因と結果は何重もの入れ子になっています。たとえば地震の結果として停電が起き、停電によって情報システムが止まり、情報システムが止まって業務ができなくなる。それぞれが原因でもあり結果でもあります。最後の納品不可能の状況までの間に起きる連鎖を予想し、より多くの段階で対応を考えておくほどリスクに強い。
経営資源を洗い出して考えることで、対応できる段階は多くなるでしょう。(談)
慶應義塾大学大学院経営管理研究科
大林厚臣教授
1983年京都大学法学部卒、日本郵船勤務を経て1996年Ph.D.(PublicPolicy)(シカゴ大学)取得。慶應義塾大学大学院経営管理研究科専任講師、助教授を経て2006年教授。専攻分野は経済学、産業組織論、リスク・マネジメント。著書に「ビジネス経済学」(ダイヤモンド社)など。
6月30日開催の危機管理カンファレンス2020春(オンラインセミナー)では、大林厚臣氏に「企業が今後考えるべきシナリオ 想定外の事態に強いBCPとは」と題して講演いただきます。詳しくは下記をご覧ください。
https://risk-conference.net/
2020年6月号 コロナ対応の他の記事
- 「ニューノーマル」に向かう企業のビジネスリスク
- 不気味な長野・岐阜県境の群発地震糸魚川静岡構造線断層帯との関連は?
おすすめ記事
-
-
-
防災は面白くないと広がらない
地震が起きたとき、スマートフォンに通知された情報を頼りに避難を判断することが多いだろう。緊急地震速報の情報から、いまどのように動くべきかを判断できる、そんな身近な危機管理を習慣づけた1 社が、アールシーソリューション(東京都新宿区)だ。2010 年に提供開始したスマートフォンアプリ「ゆれくるコール」は、緊急地震速報を受信できるアプリとして多くのユーザーが利用している。代表取締役の栗山章さんは、数多くのユーザーに防災の重要性を広めてきた一方で、ビジネスとして成り立たせる難しさにも直面してきたという。これまでのサービス開発の経緯や、防災ビジネスへの価値観を聞いた。
2026/09/09
-
被災施設への再入場判断「戻ってはいけない」では解決しない避難後の問題
大地震が発生し、安全な場所へ避難して一息つくと、人々には「ひとまず危険のピークは過ぎた」という根拠なき安心感が芽生える。そして、さまざまな理由で「避難してきた場所に戻りたい」といった気持ちが生じる。しかし、被害がどの程度なら戻ってよいのかについての明確なルールや事例は、どこを探してもあまり見当たらない。 国には応急危険度判定という仕組みや、施設管理者が建物を緊急点検するための指針などもある。が、これらは避難直後の「戻りたいニーズ」に応える仕組みではない。ここに、避難直後の「再入場」という古くて新しい問題がある
2026/09/09
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/09/08
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/09/07
-
-
-
暗黙知を形式知へ、10年の徹底改善が生きた
熊本市の工務店・新産住拓株式会社(小山英文社長)は、2016年の熊本地震や近年相次ぐ豪雨災害を通じて災害対応を磨き上げてきた。発生当日は、約3割の社員が定休日で社長も不在という条件下にもかかわらず、地震発生から50分で社員の安否確認をおおむね完了し、2時間後にはホームページや顧客専用サイトで被害受付を開始した。
2026/08/24
-





※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方