ところで、少し前までは、ウエアが不十分なために山岳事故もありましたが、今はちゃんとした装備で山に入っている人が増えてきました。装備だけ見ただけでは、山に慣れていないかわからないくらい。でも、決定的に違うのは「ザックの背負い方」です。やっぱり装備はいいのに低く背負う人、多いです。もったいない。低いと重たいので、ちゃんと背負ってみてくださいませ!重心は高く、揺らさないをお忘れなく。素早い避難のコツでもあります。

■災害時、重いリュックを軽く感じさせる2つのコツとは?ヒントは二宮金次郎!?(2016年8月5日)
http://www.risktaisaku.com/articles/-/1967

山では「シャリバテ」に注意!

ザックの中に忘れてはいけないものは、飲み物と食べものです。山では昔から「シャリバテ」と呼ばれる「ハンガーノック」という現象が知られています。最近では、自転車にはまっている人もよくご存知です。これは何かというと、急激にエネルギーが足りなくなってしまう現象です。いわば体のガス欠と呼ばれるもの。意識はあるけど、体が脱力して動けなくなるのです。

子どもの頃の遠足みたいに、あそこまで行くまでご飯をガマンしなさいっていうのは、このハンガーノックを誘発するので、NGなんです。山ではこまめに休憩して、ちょろちょろ行動食と言われる、吸収しやすいカロリーがとれるものを食べろと言われています。

だから、アメ(関西風にいうとアメちゃん)は、山では歩きながら食べるものです♪山で倒れるとまわりにも迷惑をかけるので、アメをこまめになめている人のほうが、お行儀がいいことになるのです。

ところで、トレイルランの人たちが、つるっと食べられる羊羹を好んで行動食に食べていたので防災用におすすめしたのですが、今では、防災といえば羊羹というくらい、防災部門のほうが羊羹は定着している気がします。災害時もまずはすぐにエネルギーとなる食べものも大事ということが認識されてきたってことですね!

そうそう、山といえば、なぜかチョコと信じている人にも結構お会いします。でも、夏山でチョコは溶けるので、不向きなものも多いのでそれはご注意を。

飲み物は重要です。災害時と同じですね。でも、水は重たいです。だから、長距離を歩く場合には、途中での補給ポイントの計画をたてておかなければいけません。水源があれば、そこをチェックします。この癖がついていると、災害時の井戸がどこにあるかということを普段から気になるようになります。意識しなくても防災体質になっちゃう訳です。

とはいえ、井戸も山水も菌やウィルスが心配ですよね。先日も学校の遠足で山水を飲んで集団食中毒というニュースもありました。

だから、浄水器も準備しておいたほうがいいかも。特に北海道地域は沸騰では除去できず致死率の高いエキノコックスが心配なので、沢水を飲むなら浄水器は必須です。私も持っていますが、災害用に準備するのは、敷居がとっても高い気がしたのですが、遊びに行く時に使えるなら買おうかなと思いました。

家庭用浄水器にあるようなフィルターでろ過するタイプから、帯電によってウィルスも除去するなど、いろいろな性能のものがでています。10年前より格段に進化しているのに手軽な価格のものも増えていますので、時々商品をチェックしてもおもしろいかもしれません!

池の水も飲めるものですが、勇気がいるので、まずは湧き水からお試しするのがいいのではないかなと思います(画像提供:あんどうりす)