救助には普通のロープでなく、投げ入れるタイプのスローロープを準備!

さらに、救助の体制を整えるために、投げ入れるタイプのスローロープを準備してほしいです。そこらにあるロープではダメです。水に浮かばないと救助できませんし、投げやすい形状であるかが重要です。

ロープについては、すでにこちらで紹介したので、見てください。

■川の水難事故に、泳ぎのうまいへたは全く関係ない!? 海のアドバイスは川では使えません!~川遊びのライフジャケットはシートベルトと同じくらい重要~
http://www.risktaisaku.com/articles/-/1917

でも、スローロープ使ったことある人はどれだけいるのでしょうか?見たことも使ったこともない人が多いこの国では、アニメでもありえない救助シーンがでてきます。

以前見たのはこんなものでした。主人公の友が川に流されます。主人公は、「待ってろ○○(ここに友の名前)!」とか叫んで、自分の腹部をロープで結びます。反対側のロープは川岸の樹にくくりつけます。その状態で飛び込んだ主人公は友を無事に救出し、めでたしめでたし・・・・・とは絶対なりませんからね!

実際にはどうなるか説明しましょう。まず、主人公が飛び込むと下流に流されるので、樹につないだロープはピンと張ります。次に、動水圧を受けるため、腹部に結んだロープを基点に体はくの字型に曲がってしまいます。そうすると後頭部を上にした形で上体が水没し、頭の上に水圧を受けるので、主人公は顔をあげることすらできなくなります。残念ながら、友より先に命を落とすことになりそうです。

ライフジャケット装着があたりまえになっている国のアニメでは、救助のシーンも正確です。悪役だって、ちゃんとライフジャケット装着しています。悪役なのに・・・

ちなみに水害の時の避難のイラストで、こどもが流されたり、はぐれたりしないよう、親子の腹部をロープで結び合っているイラストも見かけることがありますが、これはNGです。動水圧を舐めてます。詳しくはこちらの記事で書いています

■津波・洪水避難も川遊びも普通のヘルメットじゃダメ!あんどう流の意外な防災ヘルメットはどれ?~津波避難に防災頭巾でホントにいいの?~
http://www.risktaisaku.com/articles/-/1924?page=4

ですので、川と楽しく遊ぶ方法を教えるイベントであれば、よい機会なので、ライフジャケット装着と救助の仕方も一緒にマスターしてほしいです。

主催者の本部はイベント中央にあったりするものですが、救助要員は、常に川下に数人配置すべきです。川は主に下流に流れるからです。

ライフジャケットを装着したうえで、正しい流され方、救助のされ方があるのはご存知ですか?自分も救助者も危険にならない助けられ方です。習ったことない人が圧倒的多数だと思います

詳しくはやっぱりこちらへ 

■川の水難事故に、泳ぎのうまいへたは全く関係ない!? 海のアドバイスは川では使えません!~川遊びのライフジャケットはシートベルトと同じくらい重要~
http://www.risktaisaku.com/articles/-/1917

そんなこと、全く知らなかったとよく言われます。カヌーイストなら常識中の常識なのに。20年前、車でシートベルト装着しない人がいたように、10年前、自転車でヘルメットをかぶらない人が多数だったように、ライフジャケットはまだ一般の常識ではないのでしょう。