2017/05/12
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
赤ちゃんの首浮き輪・・・野外では絶対あり得ません!!
ありえない水辺遊び、他にもお伝えします。赤ちゃんの首浮き輪、ご存知でしょうか?プールやお風呂で利用されているものです。これを野外で使用されている方がいました(驚)!それはないでしょう。

正規のメーカーであれば、取り扱い説明書に、利用中、こどもから一瞬たりとも目を離さない事を強調しています。消費者庁のこの勧告は、メーカーサイトでも紹介されています。
■「気を付けて、浴槽での首掛け式浮き輪の事故!!」赤ちゃんは御機嫌でも一瞬も目を離してはいけません(平成26年10月9日)
http://swimava.jp/pdf/caa_h261009.pdf
お風呂で親が髪を洗うなど目を離した時に、赤ちゃんが沈んでいたという事故が過去にありました。赤ちゃんひとりで利用することは想定されていない商品です。では、ずっと親が目を離さなければ野外で使っていいかというと・・・
ここまで読んでいただけたらお分かりですね。プールやお風呂とは浮力や動水圧、海水流が違うので使えないということです。浮力が足りない場所や流れがある野外では、頸部に強い負担がかかります。首が締まるでしょってことです。
さらに野外では尖った岩などで、空気が抜ける可能性も高まります。空中にでている部分が首から上と少ないため、空気が抜ければ即、命に関わります。というか、これ、説明しなければ野外での危険を想像できない人がいるというのが、かなり驚きでもあったのですが・・。
とはいえ、まだ野外での事故例は出ていないので、消費者庁からも野外使用不可の案内は出ていません。そうすると、書いてないからいいのかと思っていた人も実際にお会いしたので、事故前ですが警告しておきます。みなさんも見かけたら教えてあげてください。
でもほんとは、川や海の楽しさも危険もよくわかる人が増えて、教わらなくても製品を見たら使えるかどうかわかる人が増えたらいいなと思います。
ジーンズで指導?川でシャボン玉?!絶対やめてください!
こんなのもありました。指導者数人がこどもを大勢連れてきていました。ライフジャケットも用意していないので、すでにありえない感があったのですが、指導者の方がジーンズをはいていたのです。濡れると最も重たくなる服です。ラッシュガードを持っていなくても、ランニングウエアやスポーツウェアでラッシュガードと同素材のものもでています。濡れても保水しない服は数多くあるのに、なぜ、ジーンズ?海にジーンズはいていく人はいないのに、川だとまだ見ます。私の理解を超えてますが・・
最後に、これは、命に関わるわけではないですが、発見頻度は高いのでお伝えします。川でシャボン玉遊びをしている人!ありえない水辺遊びですからね。
シャボン玉の原料は?そう。洗剤。そしてシャボン玉が美しくできるように洗剤の濃度が高い事が多いです。泡がずっとそのまま消えずに下流に流れてきます。
なんなのでしょう?なぜ川でシャボン玉?水面の光のゆらめきや木々の緑を反射して、シャボン玉の中でくるくる揺れる虹光のプリズムを感じる、いまこの時、私は大自然の中にいるのね・・みたいな陶酔感なのでしょうか???
そんな事より、川に洗剤ぶちまけるのやめてー。川の生物にも影響与えるので、せっかくの川も汚れます。
ということで、今年こそ、必ずライフジャケットを装着して事故をなくしましょう。そして余裕があれば、ありえない水辺遊びの撲滅を一緒に目指していただければ嬉しいです。
(了)
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